花霞が消えるまで:完結

第六章 もう一度聴かせて
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嘘だろう。

何でお前が此処に居る。

何でお前は此処に居る。

俺がどんな想いでどれだけ耐えて、お前を手放したと思ってるんだ。

離したくなんか無かったのに、離れたくなんか無かったのに、なのに何故お前は再び俺の前に立ってるんだっ!!

もういいだろう?

もう十分だろう?

俺がお前にしてやった事なんて。

俺にお前が感じる恩なんて。

とっくの昔に返してもらってる。

網道さんを見つけると約束した事も、お前を守ると約束した事も。

俺は全部破ってばかりだったのに、なのにどうしてお前はそんな真っ直ぐな目をして俺を見るんだ。


「くどいっ!いい加減にしろ!」
声を荒げて、力任せに机をぶっ叩いた。
狭い室内に響いた音にビクリと肩を震わせながら、それでもお前は気丈に俺を睨み返した。
「受け取って貰えるまで、諦めません!」
決然と言い放つその言葉にも瞳にも、迷いなんて見えなくて、一点の曇りも見えない光が俺には眩しすぎるんだ。

頼むから、もう俺を開放してくれーーー。


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