ビタミンシリーズ

ビタZ:キヨユリ〜ハピバ〜
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『聖帝デビルの愛情表現』






聖帝学園の卒業式が終了して暫く。
三年生の担任だった私は、慌しくも何処か落ち着いた気持ちで受験結果の報告に訪れる生徒達の対応に追われていた。
(それにしても、よく清春君達の進路が決定したと思うわよ。)
自分が一年間みっちり補習を受けさせた清春君は、まぁ判る。
それだけの努力をしてきたのだから。
しかしその他の面々に関しては、一体どんな魔法を使ったのやら、それぞれそれなりの進路を選びその道へと進んでいた。
「おや、南先生まだ残ってらしたんですね。」
「衣笠先生。ちょっとこの一年を振り返ってたんです。」
「そうですね。先生にとっては感慨深い一年でしたからね。でも先生?今日は用事があるとおっしゃってませんでしたか?」
「え・・・?あ!あああ!!!」
「ふふふ。気を付けて、行ってらっしゃい。」
にこやかに微笑む衣笠先生への挨拶もそこそこに、私は今日の待ち合わせ場所へとダッシュした。
「おっせぇんだよ!待ちくたびれてミイラになるかと思ったぜぇ!俺様を待たせるとはいい度胸だなぁ?ブチャ!」
「ご、ごめんね、清春君!受験結果の報告待ってたら、遅くなっちゃった。」
「関係ねぇな!俺っ様のプレイを折角の特賞席で見せてやるってぇのに、タルんでっぜ!」
「それを言うなら特等席でしょ。」
「うるせぇっ!ブチャイクは黙ってそこで観てろ!」
(相変わらずお馬鹿なんだから・・・。)
そう、今日は清春君のストリートバスケの最後の試合。これが終われば清春君は本場アメリカのバスケット界へと飛び込んで行くのだ。
だからこそ特別な試合。それなのに遅れた私に、清春君が怒っても無理ないと思う。
でも、例え怒っていたとしても清春君のスーパープレイに遜色は全く無かった。
寧ろアメリカへと旅立つ前向きな気持ちが、いつも以上に冴え渡るプレイを生み出しているようだった。
「ぼ〜っとしてんじゃねっつの!俺様のスーパープレイに見惚れたかぁ?」
これさえなきゃねぇ・・・。
「何か、素直に感動出来ないんだけど?」
「そんな可愛くねぇ事言ってっと、ここでちゅぅすっぞ?」
「・・・!!」
間近に迫る清春君の異様に格好いい顔に、顔が熱くなるのが判ったけど意志の力でそれをどうする事も出来ず、俯く私の耳にちゅっと軽く清春君の唇が触れた。
「んじゃ、後半も俺様に見惚れてろよ?」




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