2/3ページ目 「原田先生なんて止めろって。左之助でいいよ、左之助で。」 「え、いえ・・・流石に先生を呼び捨ては・・・。」 「だよな、お前の性格じゃな。」 って位、私の事知らないでしょうに・・・。 「で?どこに行きたかったんだ?ワタクシ原田がご案内致しましょう?」 胸に手を当て腰を曲げながら丁寧にお辞儀する姿はまるで執事のようだった。 私は先生のおどけた調子に思わず声を出して笑ってしまう。 「あっははは!何ですか、それ!」 「よっし、笑ったな!何か知らねぇが随分疲れた顔してたぞ?いい若いもんがそんな顔してんじゃねぇよ。」 「・・・・原因のほとんどが先生が副顧問をしている剣道部のせいなんですけど・・・。」 思わず遠い目になって呟くと、先生は怪しすぎる程あからさまに視線を逸らして口笛を吹いた。 「どういう誤魔化し方ですか・・・。あ、そう言えば、先生今からどちらに?」 「ん?俺か?俺は職員室に寄ってから教科室に戻るとこだ。」 「じゃあ僕も連れて行ってもらえませんか?ついでに三年の人達がいたら匿って下さい。」 「判〜った。お前も大変だな。同情するぜ。」 でも助けてくれないんですよね。だって副顧問だし・・・。 原田先生の案内で無事職員室に辿り着いた私は、永倉先生に必要書類を渡してほっと一息吐いた。 「あぁ、そういや雪村?」 「はい?」 「お前が来たらこれ渡してくれって頼まれてたんだ。」 ほいっと渡されたのは白い紙。 「・・・・『入部届』。」 「おお、それにお前の署名捺印。顧問の近藤さんか、副顧問の俺と左之助の捺印、最後に部長の承認印があれば入部確定だ。 もう近藤さんと部長の土方の捺印はしてあるからな!後はお前がパパッとサインすりゃ終わりだ。ほれ、早く書け。」 「ちょ・・・永倉先生!僕は入部するつもりはないですから、要りまっせん!!」 ここでもか!とかなり頭に来た僕は思い切り入部届を真っ二つに引き裂いた。 「あ・・・ああ!!!雪村!お前!いくらなんでも酷いだろう!!」 「酷いのはどっちですか!入りたくないって言ってる生徒を教師もグルになって入部させようとするなんて・・・!!」 「は?お前、入部したいんじゃねぇの?」 「違います!!ぼ・く・は!!絶っ対入部なんかしません!」 「新八よ〜。大方まぁた土方に上手く丸め込まれた口だろう?お前もいい加減生徒に上手く操作されるの止めとけ。」 「ば・・・っ!俺だって好きで操作されてる訳じゃ・・・ってか操作とか言うな!!」 「はいはい、雪村?お前マジで入んねぇの?」 「すみません、僕部活やってる暇もないし、何より剣道に興味ありませんから。」 「ふ〜ん・・・?」 「な・・・何ですか・・・。」 原田先生は上から下まで僕を眺め回すと意味有り気に笑う。 な・・・何か嫌な視線だなぁ・・・。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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