風雲!壬生学園陰道中

原田左之助編
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あんなに嫌だ行かないと言い続けたにも関わらず、無理矢理連れて行かれた剣道部。
今日になって私は、やっぱり行かなきゃ良かったと激しく後悔している。
何故なら、今朝登校してまず初めに声を掛けて来た人物。
それは彼の有名な(?)土方歳三先輩その人。
「よぉ、雪村。昨日はご苦労だったな。そろそろ剣道部に入部する気になったか?」
「お・・・おはようございます、土方さん。あの・・・昨日も言いましたけど、僕入部する気ゼロなんで!!」
まるで待ち伏せていたかのように昇降口にいた土方さんに捕まり、でっかい声であんな事言われては、転入生雪村千鶴は剣道部に勧誘を受けていると
全校に宣伝したようなもんじゃないか!
もしかしてそれを狙ったんですか!?
狙ったんですよね!?
「さ・・・最悪だ・・・。」
「何が最悪なの?」
そう、そして次に問題なのはこの人。
「昨日見学に来てたんだって?どうせなら僕がいる時に来てくれたら良かったのに。勿論今日も来てくれるよね?」
「行きませんよ!昨日は無理矢理連れて行かれただけです!二度と行くつもりはありませんから!!」
山崎君に保健室に案内して貰った際に出会った沖田総司先輩。
彼もまた、何故かわざわざ二年の渡り廊下で私に声を掛けて来た。
この二度の(いい意味でも悪い意味でも有名な)先輩方からのアプローチに、周囲の目はすっかり私が剣道部に入るモノとして映ってしまっている。
しかも・・・。
「雪村!お前剣道部んとこに入るらしいな!あそこはいいぞ〜?俺も副顧問だからな!」
「だから!入りませんってば!!」
どうして!誰も彼も人の話しを聞かないんですか!!
「はぁ〜〜〜・・・。」
こんな調子で休み時間の度に剣道部に入部するのか聞かれる私は、昼休みの頃にはグッタリ疲れてしまった。
どこでもいい・・・。一人になりたい・・・。
「あれ〜?千鶴〜?飯はぁ〜〜??」
「ちょっと・・・先生に渡す書類あるから、先に職員室行って来る。」
「場所は判るか。」
「大丈夫、覚えてます。ありがとう斎藤君。」
何だかフラツキながら職員室に向かい(本当に提出書類もあったから)・・・向かい・・・向か・・・い・・?
あ〜・・・あれ?
「これは・・・あれだね・・・。」
「迷ったのか?」
呆然と脱力する私の頭を、上からポンっと叩きながら声を掛けてくれた人。
「あ・・・原田先生!?」

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