1/4ページ目 明日からもう少し頻繁に顔を出す事を条件に何とか君菊さんを納得させて、ぐったり疲れた私は正直もう帰りたかった。 けどそんな事を許してくれる三人でもなく・・・。 「んじゃ、行くか!」 満面笑顔の平助君と、無表情な二人に半ば引きづられるように私は剣道場に連れて行かれた。 「道場はさ、中庭突っ切って突き当たりの2階がそうだから、間違えんなよ?」 「・・・二度と行く事も無いからその心配は無用だよ。」 「そ〜んな事言うなよなぁ!?」 言うよ!誰が何と言おうと絶対入部なんかしませんからっ! 後ろの二人の無言な重圧がかなりプレッシャーなのは気のせいだと思いたいですしっ! 二年棟から道場棟に向かう途中で、教師らしい人に声を掛けられた。 私がではなく、斎藤君達がだけど。 らしいって言うのは、その人は赤く染めた髪を無造作に括って、服装もスーツではなくカジュアルな感じでとても教師には見えなかったから。 「お前等今から道場に行くのか?遅刻じゃねぇか。土方にどやされるぞ。」 「左之さ〜ん、怖い事言うなよ!今日はちゃんと理由があるから平気なんだって!」 「理由〜?」 「転入生の雪村に校内の案内をしていました。部長もそれはご存知の筈です。」 「転入生って・・・。ああ!お前が新八んとこの転入生か!あ〜・・・・雪村・・・何だっけ、女みてぇな名前だったよな、確か。」 左之さんと呼ばれたその人は、斎藤君の言葉で私に目を留めると、額に手を当てて天を仰いだ。 にしても・・・女みたいな名前って・・・。 私は女だからいいけど、男性で同じ名前の人がいたら怒るよ。って事は、此処は怒った振りでもするべき? どうしようか逡巡していると、その人はポンと頭に手を置いてニコっと笑い掛けてくれた。 「わりぃ。女みてぇってのは、失言だったな。俺は原田左之助。国語を教えてる。ついでに言うと、剣道部の副顧問だ。よろしくな?」 「あ、雪村千鶴です。よろしくお願いします。」 何だか拍子抜けしながら、ぺこりと頭を下げた私に、原田先生はもう一度くしゃりと頭を撫でてきた。 癖なのかな?これ? [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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