風雲!壬生学園陰道中

土方先輩編
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「どこも入ってないですけど・・・入るつもりもないですし。」
「あぁ?入ってねぇ?だったらちょうどいい。平助っ、こいつを今日の放課後引っ張って来い!いいな!!」
「は〜い、りょ〜か〜い。」
「え!?ちょっと平助君!?引っ張って来いって何処に!!了解って何勝手に決まってんの!?」
「雪村、君の運の無さには同情する。が、早々に諦めて覚悟を決めた方が身の為だ。」
斎藤君!身の為って何か物騒なんだけど!
「さっきも忠告したのに、君は全く俺の言葉を聞いていないんだな。」
ええ!?山崎君、忠告って何の!?っていうか、この人誰!!
「挨拶が遅れたな。俺は土方歳三。三年で風紀委員長兼、剣道部部長だ。今日絶対来いよ、来ねぇようなら無理矢理引き摺ってくからなぁ?」
ああ、この人が全国レベルに強い土方さんかぁ。歳三って古風な名前ですね。
・・・ん?ちょっと待って?
え?もしかして私、強制的に剣道部入部決定されちゃってたりします!?
必死な思いで平助君を見れば、何だか嬉しそうに笑ってらっしゃる・・・。
「やったな〜千鶴。早速土方さんに顔覚えて貰えたじゃん。この人滅多に人の顔覚えないからさぁ、貴重だぜ?」
そんなアンビリバヴォー体験は要りません・・・。
「おい、てめぇ目上のモンが名乗ってんのに、自己紹介も無しか?益々いい度胸だな。」
「・・・雪村、千鶴です。昨日転入して来ました。」
「転入生か、どうりで見ねぇ顔だ。」
「土方さんは転入生じゃなくても人の顔も名前も覚えてないじゃん。」
「五月蝿ぇ平助!おい、雪村!」
また平助君の頭を殴る土方さんに、私は自然と険のある視線を向けてる自覚はある。
なのに、何故か楽しそうに笑う土方さんは、私に指を突きつけて命令して来た。
「放課後、絶対来いよ?楽しみにしてるからな。」
長い髪を翻して去って行く後ろ姿を見ながら、顔はいいのになぁ・・・なんて関係ない事に感心してしまった。
そんな私の背中を三人はそれぞれ叩いて深い溜息を吐く。
「ま、頑張れ!千鶴!」
「ご愁傷様としか言えんな。」
「次は誰が来るか、ある意味見物だ。」
・・・私の学園生活って、転入二日目にして既に前途多難!?


次回
剣道部見学に行ってみよ〜♪
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