風雲!壬生学園陰道中

土方先輩編
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どうして・・・どうしてただ保健室に行きたいだけなのに、こんなに邪魔が入るんだろう?
結局二限の休憩時間に行けなかったので、仕方なく昼休みにもう一度山崎君に案内してもらう。
今度は平助君も付いて来た。
斎藤君はどうやらまた風紀委員に呼び出されてるみたいだ。
「斎藤君って、部活の中で一年のまとめ役?」
「あれ、何で判ったの?烝君、教えた?」
「いいえ。しかし、これだけ何度も呼び出しを受けていれば導き出される結論として可笑しくはないでしょう。」
「そりゃそうか。一君はさ、三年の土方さんと総司に継ぐ実力の持ち主なんだ。」
「ふ〜ん、そうなんだ。見た事ないけど、強いんでしょう?剣道部。」
「強いなんてもんじゃないぜ!土方さんに敵うヤツなんて同学年にはいないし!総司にしたって本気さえ出せば土方さんに負けない位だしさ!
興味あるなら見学に来いよ!絶対面白いから!見るだけでも必見だし?」
「え?う〜ん・・・けど、僕剣道のルールなんて知らないし・・・。」
「大丈夫だって!ルールなんて見てやってりゃ嫌でも覚えるし!」
「ちょっと・・・平助君、見学勧誘から入部勧誘に変わってない?」
「あ、バレた?」
ぺろっと舌を出す仕草は可愛いけど、見学どころか入部なんて冗談じゃない。
私はそんな事の為にこの学園に転入した訳じゃないんだから。
「でもさぁ、マジでどっか部活入るなら剣道部にしろって!先輩とか面白い人ばっかだし。」
「面白いかどうかは別にして・・・一風変わってるのは確かだ。ついでに教えておくが、総司と言うのは沖田さんの事だ。」
「え!!沖田さんの名前、総司って言うの!?」
「あれ?総司の事知ってんの?」
「今日・・・会って・・・だって、呼び捨てしてるから、てっきり同級生か下級生かと・・・。」
「総司は幼馴染みたいなモンだから。
じゃあ、一君と烝君と俺と、総司まで顔見知りならさ、全然平気じゃん!さっそく今日の放課後見に来いよ!
な?いいだろ〜千鶴〜。」
「いやいやいや・・・だから僕剣道には興味無いって・・・。」
肩をガクガク揺さぶられながら、ブレる視界の端にえらく整った顔の長髪の生徒が映った。
うわぁ、綺麗な人だなぁと感心してる間にその人はガンッと音がする程平助君の脳天に真上から拳を叩き込んでいた。
・・・え・・・・ど・・・どちら様?って、言うか・・・。
「へ、平助君!?大丈夫!?ちょっと、酷いじゃないですか!!」
いきなり殴るなんて!私が思いっきり睨みつけて抗議しようとするのを、山崎君と平助君、どこから出てきたのか斎藤君まで一緒になって止めてくる。
「雪村君、止めておけ。」
「千鶴!俺なら平気だから!な!」
「雪村、自殺行為にも程があるぞ。」
「何で!?問答無用で暴力振るうなんて最低じゃないですか!?」
「ほぉ〜・・・最低か。なかなか活きがいいじゃねぇか。平助、お前の知り合いか?」
ん?もしかして、平助君の知り合い??だったら、余計に何でいきなり殴るの!?
「いい度胸だな。お前部活は?何かやってんのか。」
私の内心の疑問が顔に出てたんだろうか。
その人はにやりと笑って私の顎を掴むと、かなり至近距離でドスの効いた質問を浴びせて来る。

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