風雲!壬生学園陰道中

32話 学園祭・三日目
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ピピピ・・・ピピピ・・・ピピピ・・・。
「・・・朝だ・・・」
軽快な音を奏でる目覚ましとは違い、かなり億劫な気持ちで起き出した私は窓の外を見上げる。
空はなけなしの悪足掻きにぶら下げた逆さてるてる坊主を嘲笑うかのように快晴で、秋晴れの爽やかな風まで吹いていた。
「こうなったら・・・」
「仮病は許しませんよ、千鶴様」
「きゃあ!!君菊さん!!?」
「おはようございます、千鶴様。千姫より千鶴様と共に学園へ向かうよう申し付けられました。一緒に参りましょう」
にっこり微笑む君菊さんを前に、仮病と言う手段も絶たれた私はズルズルと引き摺られるように学園へと向かう羽目になった。
と、言うか何時の間にアパートに潜り込んでたんだろう・・・。
「おっはよう!千鶴!今日もキリキリ優勝もぎ取ろうぜ!!」
「おはよう千鶴ちゃん、よく眠れた?今日は敵同士になっちゃったけど、手加減はしないからね?」
「おはよう平助君、おはようございます、沖田さん」
校門前で朝から元気な二人に引き渡された私は、通学時と同じく平助君に引き摺られるように廊下を進む。
「おーじょーぎわ悪ぃぞ、千鶴!男なら覚悟決めろよな!」
だって男じゃないもん!!
涙目の訴えは悉く無視され教室へと連行される気分はまるで囚人のよう。
「よう、じゃなくて丸きりそうだもんねぇ・・・」
「んあ?何か言った?」
「ううん、何も言ってないよ!」
そして向かった教室に用意されていたのは、昨日着た白雪姫のドレスとは違い随分と・・・。
「み、短く・・・ない?」
「そうかぁ?いい位だろ?こう、見えるか見えないかのチラリ感がいいんじゃん!」
「いや、実は俺も短すぎるとは思うが・・・」
「俺もそう思います・・・」
「だよね!?やっぱり短すぎるし!これは下にスパッツとか短パンとか履いた方がいいと思うんだけど!?」
「却下だ」
斎藤君と山崎君が難色を示してくれたおかげで、なんとか生足を晒す事なくやり過ごせるかと思った私が甘かった。
「土方さん!却下って、何でですか!?これ凄い短い・・・!」
「3年でアンケートを取ってみたんだが、お前の衣装は『超ミニ希望』が圧倒的だったんだよ。チアリーダーの人気投票も総合順位に関係してくるからな、四の五の言わずに、着ろ」
上から目線で凄んでみても、口から出る言葉はセクハラ以外の何物でもないです、土方さん!
アンケートて、いつの間に!
超ミニ希望って出したの誰だよ!
その『超ミニ』の衣装を抱え青くなる私に向かい山崎君は一言。
「ローアングルからの撮影だけは阻止してやる」
鬼いいいい!!!

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