1/5ページ目 学園祭二日目。 昨日の事を考えると非っ常〜に怖い一般公開。 学園関係者からの挑戦者は昨日ほとんど出尽くしたと思っていた私が甘かった。 「すみません!挑戦したいんでカード5枚下さい!」 「僕は10枚下さい!」 「こっちはクラス全員分なんで40枚下さい!」 正直喧嘩売ってんのかと思う。 一度負けた勝負には再チャレンジ出来ず真っ赤なマジックで『不可』と書かれてしまう。 だから何度も挑戦したければ何枚もカードを買う必要がある。 そして、予想に反して昨日以上に挑戦者が多い為、私達二年三組一同は暇があればカード作りに明け暮れる羽目になってしまった。 印刷は一括大量コピー出来るけど切り離しは手作業なんだから、足りなくなる度にハサミ片手にチョキチョキしなくてはいけない。 それでなくても昨日散々切ったのにっ!突発的に出来たハサミタコが痛いよ〜〜! 「どうする〜?このままだと一般客の分が足らなくなりそうだぜ?」 「ねぇ、校内の人はいいんだけど・・・いや良くないけどね? 一般客まで挑戦者が多いのはやっぱり温泉とかマッサージ券とかが魅力なのかな。」 「何言ってんだよ。千鶴目当てに決まってんじゃん。」 「・・・平助君ここが男子校だって判ってる?その生徒とツーショットって事はムサイ男子とって事なんだって判ってる?」 「だって千鶴はムサくねぇし。そんだけ可愛いけりゃ中身は関係ねぇって事なんだろ?あ、俺は中身も好きだからな!」 「・・・そりゃ・・・ありがとう・・・。」 満面の笑顔で臆面もなく好きだと公言する平助君に赤面しつつ、そこで一つの疑問が頭に浮かぶ。 「あれ・・・?でも、今の話だとお客さん皆が僕の事知ってる事にならない?そんな訳無いよね?」 「それがなるんだ。」 山崎君が無表情なまま差し出したチラシ。 そこには昨日撮影したと思われる(多分隠し撮りの)私の全身写真が載っていた。誰と話しているのか満面の笑顔。 『私と二人の記念写真撮りに来て欲しいな(はぁと)』 合成してある看板にはこんな台詞まで書き込んである。 「・・・!!・・・!!!???」 二の句が告げないとは、正に今のような状態を言うんだろう。 きっと今の私は真っ青になったり真っ赤になったり目まぐるしく変わっていると思う。それ程頭が混乱していた。 「こ、これ・・・!!・・・き・・・綺麗に撮って貰えて嬉しいよ。」 (千鶴・・・。) (千鶴・・・。) (雪村君・・・。) (((もうそれしか言えなかったんだな。))) 三人からの非常に生温い視線の中で私は、先輩方が誰にも負けない事を祈りつつ二日目の一般公開を迎えたのだった。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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