1/7ページ目 沈んだ心を抱えたまま、それでも時は過ぎて気が付けば学園祭当日。 心が重いと体まで重くなってくるから不思議だ。 クラス発表の準備の為に、保健室を訪れた私に君菊さんは少し心配そうな顔を向けた。 「千鶴様、大丈夫ですか?」 「ん?何が?」 「いえ・・・先日お会いした際、少しお元気が無いように見受けられましたので・・・。」 「そりゃね、50人分の衣装をたった3人で作れば疲れもするよ。山崎君と山南さん以外全然手伝ってくれないし。」 「そう、ですか?それだけなら、よろしいのですけど・・・。」 「うん、ありがと。君菊さん。」 着替えながら笑顔を振り撒く私に、それでも気遣わしそうな顔で微かに頷く君菊さん。 こういう所はさすがだと思う。 長年千姫の補佐をやっているだけあって、人の機微に敏感で目敏い。 多分私の言い訳を納得していないだろうに、それ以上突っ込んで聞いて来ない心遣いがありがたかった。 私も出来るなら、せめて学園祭の間は何も考えず楽しんでいたかった。 それが終われば、全てを明らかにしなくてはいけないだろうから。 だから、今だけは皆の仲間のまま過ごしていたいと思った。 「ねぇ、本当にこれ着なくちゃ駄目なの?」 「はい、勿論ですとも!千姫様が心を込めて改造されたお衣装ですから。大丈夫、とてもよくお似合いです!可愛らしいです!!」 男子校に潜入してる女があんまり可愛くても問題な気がする。 悪い気はしないけど・・・。 でも・・・。 「目立つ・・・んだろうなぁ・・・。」 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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