風雲!壬生学園陰道中

夏合宿編
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京都、丹後市にある磯砂山。
よくある天女伝説の地として有名らしく、山の中腹にある女池で天女が水浴びをしていると老夫婦が天女の羽衣盗んでしまい、天に帰れなくなった天女を養女にしたとか。
けど、この天女様。
お酒造り等の技術を伝えるだけ伝えて老夫婦を裕福にすると、用済みとばかりに追い出されたらしい。
今時どんな昼ドラマなんだろう。
「・・・て、言うかさ、それってただの人攫いじゃないの?」
「千鶴・・・それ言っちゃ伝承も何もないから・・・。」
山の麓の乙女神社を参拝後、羽衣茶屋で一息入れてすぐに磯砂山登山が始まった。
登山とは言っても他のハイカーのように歩いて上るんじゃない。
丸太で整備され木屑が敷き詰められた狭い階段を、1010段ひたすら『走って』駆け上がるのだ。
山道からのマウンテンビュアはかなり良いと思う。
見渡す限りの山・山・山は勿論、頂上に着くと天橋立が見渡せるらしい。
私はそれだけを楽しみにひたすら階段を駆け上がる。
(キッツ・・・。)
普段から鍛えているとは言ってもそれは平坦地での事。
結構急な階段はかなりキツかった。
「ち・・・千鶴・・・先、行って?」
「え・・・でも、平助君。」
「へ〜き、ちゃんと後から行くし、いいから先行けって。」
『上まで一緒に頑張ろうぜ。』
そう言った平助君だったけど、どうやら持久力は私の方があったらしい。
少し迷って、私は先に行く事にする。
このまま彼のペースに合わせて走る事は、きっと逆に平助君に失礼だと思ったから。
他の部員も残して自分のペースで走っていると、山崎君と斎藤君に追いついた。
「お疲れ!」
「千鶴か、平助はどうした?」
「先に行けって言うから、置いて来た。」
「そうか。」
斎藤君は、少し笑みを浮かべて頷いた。山崎君も無言だったけれど、嬉しそうな顔をしているような気がする。
「じゃ、じゃあ、先行くね。」
「ああ、俺達もすぐに追いつく。」
二人に手を振り頂上へと一気に駆け上がると、既に土方さんと沖田さんが休憩している所だった。
「おお、さすが雪村!はえぇな!」
「永倉先生!?何時の間に?」
「お前等がちんたら走ってる間にだ!わははは!!」
絶対途中まで車で上がってきたんだ!
ふんぞり返る永倉先生は放って、手招きする土方さん達の方へと近付いた。
「早かったな。斎藤達も抜いてきたのか。」
「あ、はい。かなりキツイですね。さすがに疲れました。」
「良かった。この位でも平気って言われたらヘバってる僕らがちょっと情けなさ過ぎるからね。
でも、これを見たら疲れも吹き飛ぶんじゃない?」
「え?」
呆れる土方さんと、ヘバってると言う割に平気そうな沖田さんに促されて見た頂上からの景色。
「う・・・わ・・・・。」

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