2/3ページ目 教材を運ぶ手伝いをする時も他の用事を言い付けられた時も、大丈夫だと言うのに決して重たい荷物は持たせない。 廊下を並んで歩く時は必ず私が壁側。 思い当る数々を考えると、先生はもしかして気付いているんじゃないかと思う。 甘くて冷たいジュースを味わいながら、そんな風に考え込んでいると、急に先生の声が耳に飛び込んできた。 「なぁ?千鶴?」 「・・・は?へ?はいっ!?」 「・・・おっ前、俺の話聞いてなかったろ。」 「ごめんなさい・・・。」 話を聞いてなかった私に怒る所か楽しそうな笑顔を見せて、先生は再び同じ言葉を口にしてくれたようだった。 「このクソ暑い中、長袖着込んでプールにも入れねぇとは、難儀だなって言ったんだよ。アレルギーだったか?」 「あ、はい。プールの薬品や、紫外線にちょっと。」 「ふ〜ん。お前の水着姿が見れねぇのはちっと残念だったなぁ。」 「せ・・・先生、男の水着姿が見たいならプールまで行けば溢れてますよ・・・。」 「馬鹿、ムサい野郎の裸見て何が楽しいんだ。」 やっぱり、バレてるんだろうなぁ。 けど先生は何も言わないから、私も何も言わない。 黙っていてくれると言うのは、そう言う事なんだろうと思う。 もしかして他にもバレてる人っているんだろうか? 沖田さんとか・・・山崎君も侮れないしな・・・。 (気を付けよう・・・。) 私がそう思った矢先に、平助君がやらかしてくれた。 「うっぎゃ〜〜〜!!ごめんごめんごめん!!千鶴大丈夫かぁ!?」 「うん・・・いや、平気だけど・・・ベタベタして気持ち悪い・・・。」 何がどうしてそうなったのか、食堂で座っている私の頭に生卵が降って来た。 「早くシャワーを使った方がいいだろう。乾いてしまっては面倒だぞ。」 「あ、じゃあ、ちょっと行って来ます。平助君平気だから、気にしないでね?」 パタパタと足を動かしながら、生徒用のシャワーは使えないので保健室へと急ぐ。 そしてこんな時に限って君菊さんは不在。 (鍵、あるけど・・・。) 保健室に勝手に入るのは悪い気がするのに、どうして国語室は平気かな。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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