風雲!壬生学園陰道中

攫われた転入生
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思い切り蹴りを食れてやろうとした私の機先を制するように、平助君達に向ってナイフとスタンガンを構える。
マズイ・・・最近は音沙汰無かったから油断してた。
このまま三人を巻き込む訳には・・・。
「何だお前等!?千鶴をどこに連れてく気だよ!!」
焦る私の気も知らないで、平助君は男達に喰ってかかる。
駄目だって!こいつらの狙いは私なんだから!!
そう思って平助君を止めたいのに、口を塞がれてくぐもった声しか出せない。
そんな私を見て更に平助君は殴りかかろうとする。
「ちっ!面倒だ!!そいつも連れて行くぞ!」
「な、何すんだっ!?」
「・・・・!!」
平助君と同じく男達に向って行こうとしていた斎藤君達の目の前で、私達は無理矢理車に押し込まれた。
「平助!!雪村っ!!」
斎藤君の珍しく焦った叫び声を掻き消すように、車は遠ざかって行った。
「くっ!!」
「斎藤さん、俺は車の後を追います。土方さん達に事の次第を!」
「追うとは言っても、足が無いだろう。」
「問題有りません。」
山崎はそう言うと、近くに無断駐車してあったバイクを直結してエンジンを掛け、急発進で千鶴達を乗せた車を追って行った。
「・・・まぁ、この場合は仕方あるまい。」
ぶっちゃけ仕方ない訳もなく立派な犯罪になるのだが、目の前で仲間を連れ去られた今の斎藤に冷静な判断力は少々欠けていた。
そしてバイクを見送り大きく深呼吸すると、土方へと報告する為に剣道場へと駆け戻る。
道場では治療を終えた風間と(何故か)生徒会役員、それに剣道部の面々が揃っていた。
「土方さん!!!」
「?斎藤?どうした、お前がそんな慌てるとは珍しい。」

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