1/3ページ目 「あ〜ら山崎君お久しぶりね〜?ちっとも生徒会に顔を出して下さらないんですもの、寂しいわ〜〜。」 くねくねと腰を振りながら、どう見ても男子学生なその人は山崎君へとしな垂れかかった。 「・・・あの・・・土方さん・・・あの、方は・・・?」 「ああ・・・。」 やけに綺麗な肌の整った、と言える容姿なのに何故だか格好いいとか思えないのは何故だろう・・・。 土方さんは私の質問に視線を逸らしたまま何も答えてくれない。 不思議に思っていると横から平助君が割り込んできた。 「あの人は伊東さんって言って、三年の先輩なんだ。元は剣道部で風紀委員だったんだぜ?」 「今は生徒会役員なの?」 「うん、何て言うか・・・思想の違いってのかなぁ? 俺等は風紀を取り締まるってより、生徒の自主性を尊重した上で社会に柔軟に対応出来る人材を育てるって考えがある訳。」 「だが薩摩側は、社会に浸透し易い人材、つまり規則に対し従順な人材を育てる事に重きを置いている。」 「要するに、生徒会の方が校則に対する締め付けが厳しいって事ですか?」 「そういうこった。確かに俺達はきっちり校則を守ってるかって言われりゃ、否としか言えねぇからな。」 平助君の説明に補足してくれる斉藤君に向って私が問うと、斉藤君からセリフを奪うように平助君が答えてくれた。 でも、匡君とか明らかに剣道部属性に見えるんだけど・・・。 「不知火は風間の幼馴染なんだってさ。だからツルんでるらしいぜ?そんで、伊東さんも最初はこっち側だったんだけど・・・。」 「我が部の連中は品位も気品も感じられないと、野蛮な集団に自分が染められるのは嫌だと出て行ったのだ。」 「出て行ってすぐに生徒会役員、しかも副会長とかってすげぇと思うけどな。」 「平助は同じ道場出身だったな。」 「えっ!?そうなの!?もしかして、だから今回は平助君は出ないとか?」 「まぁな、やっぱ同じ道場のヤツとは戦い難いから。」 ぽりぽり頭を掻きながら、平助君は照れたようにそっぽを向いてしまった。 確かに、同門の人とは戦いたくないよね。 これで伊東さんが何者かは判ったけど・・・。でも、あの仕草とかって・・・。 「あの人が脱隊して一番嬉しいのは土方さんだよなぁ!」 気を取り直したように平助君がゲタゲタ笑いながら土方さんの肩をバンバン叩く。 それに対して土方さんは元々の眉間の皺を更に深くして拳を振り上げた。 「平助!てめぇは余計な事言ってんじゃねぇ!!」 「あの・・・まさか、とは思うんだけど・・・。」 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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