2/3ページ目 「沖田さん。」 「千鶴ちゃん、ごめんね?はっきり勝負つかなくって。でも次は勝つから安心して?」 「今はそんな事はどうでもいいんです。それより左手見せて下さい。」 「どうでもって、酷いなぁ?君の為に頑張ったのに。・・・で、左手がどうしたの?そんなに僕と手が繋ぎたいなら今日は一緒に帰ろうか。」 「帰りでなく、今手を繋ぎたいんです。いいから早く見せて下さい。」 沖田さんが素直に手を出すのを待っていると斉藤君達の仕合を見逃してしまう。 それだけは非常に残念だったので、問答無用で左腕を掴んで引き寄せると、僅かだったけれど沖田さんの顔が歪められた。 「げっ!?総司、その腕・・・。」 横から覗き込む平助君が思わず声を荒げる程、左腕は酷く腫れていた。 「やっぱり。あの斬撃を受け止めて無事に済む訳ないと思ったんです。多分南雲君の右手も痺れて使い物にならないでしょうけど。」 それにしても、こんなに腫れてても平気な振りするなんて・・・。 「何でバレちゃうのかなぁ?嘘を吐くのだけは上手いつもりだったのに。」 「仕合中ならともかく、仕合が終わって竹刀も木刀も手放したなら、平気な振りはしなくていいんです。 痛ければ痛いと言っても誰も貴方を嘲ったりしませんよ。」 (例外はあるけど・・・。) 存外怖いかの人を思い浮かべながら、私は沖田さんの腕を固定し湿布を貼り終えた。 「2〜3日はあまり動かさないで下さい。骨に異常無くてよかったですよ。」 あの見るからに重そうな剣を受けたのだから、間違っていれば骨折していてもおかしくない。 なのにこの程度に抑えたのはさすがと言うべきなのかなぁ? 「ありがとう。」 包帯を巻いた腕を、何故か沖田さんは繁々と見回しながらそれこそ満面の笑みで私にお礼を言ってくれる。 う・・・・。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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