1/3ページ目 私の勧誘権を賭けた下らない試合は、私の意向は全く無視して更に続くようだった。 「次!斎藤!!」 「はっ!」 「・・・不知火。もしも負けたら判っているだろうな・・・?」 「へぃへぃ。」 土方さんに対し、短く言葉を返し礼をする斎藤さんとは対称に、匡君はヒラヒラと手を振りやる気のない素振りを見せている。 でも・・・。 「斎藤君、本当に試合するんですか?匡君が見た目通りの実力じゃないって、判ってますよね?」 「ああ、心配せずとも油断はしない。お前はそこで大人しく待っていろ。明日からは共に鍛錬出来るよう見ていてくれ。」 共にって・・・斎藤君達が勝っても私が絶対入部するって決まった訳じゃないのに・・・。 「どうして生徒会も剣道部も、そんなに僕を引き入れたいのかな。面白い生徒なら、もっと他にもいるでしょうに。」 「馬鹿か、お前は。他のヤツを入れてどうすんだ。俺もアイツ等もお前だからこそに決まってんだろうが。 他のヤツじゃ代わりにゃなれねぇんだよ。」 これが勧誘じゃなくて、ただの先輩に言われたのなら凄く嬉しい言葉だったんだろう。 けど、結局はただ入部させたい為だと思うと益々私は尻込みしてしまう。 (逃げたいなぁ・・・・。) 自分のせいだと判ってはいるけど、正直この場でそれぞれの試合を見届けるのは苦痛だった。 出来れば勝手にしろ、と吐き捨てて立ち去ってしまいたい。 それをしないのは高校生のレベルをとっくに超えた磨かれた技達を、もっと見ていたい気持ちもあった。 (あ・・・。) 互いに礼をして向き合う二人を横目に、私はそっと沖田さんの隣へと移動した。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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