2/2ページ目 多分、私が頑なに部活に入らない理由を聞いているんだろう。 天霧先生が言った事は半分当りだけど、もう半分はそうじゃない。 「それもあります・・・けど、私はご存知の通り皆を騙して此処に居ます。 父を捜して、見付けたい為だけに皆に嘘を吐いているんです。 皆が親切にしてくれたり、剣道部や生徒会に勧誘してもらうのは、実はそれ程嫌じゃありません。 寧ろ嬉しいんです。こんな私でも受け入れてくれてるんだと・・・。 でも、それが余計に心苦しくて一緒には居られないと思うんです。 父が見付かれば私は此処を出て行きます。そして二度と皆の前には現れないつもりです。 だから、私の居場所を、居心地のいい場所を作ってはいけないと思うんです。 とは言っても、それでなくても大反対している千姫に怒られるのが怖いんですけどね。」 「確かに、反対するでしょうね。 私も反対です。男子校に一人でなど・・・。しかしこうして君は転入して来た。 そうなればなるべく早く目的を成し遂げる事が肝要かと思われます。 その為に、学園組織の一員になる事は避けねばと言う君の言い分も判ります。 しかし、本心ではどうなのですか? 私の目からも逃げ回っている君は本当に嫌がっているように見えないのです。 それが判るからこそあの者達も引かずに追ってくるのでは・・・?」 苦笑を浮かべる私に、天霧先生は容赦なく質問を重ねてくる。 本心は・・・私の、本心は・・・。 「入部は、しません・・・。しちゃいけないんです。皆が・・・嫌いではないですから・・・。」 「そうですか・・・。」 それきり天霧先生は何も言わずに机に向かった。 私はそれ以上何も追及して来ない先生の気持ちが嬉しくもあり、悲しくもあった。 所詮私は、この学園の本当の意味での生徒にはなれない。 その事実を肯定されたようで、悲しかった。 次回 怪しい事この上ない壬生学園の実態がっ!! [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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