風雲!壬生学園陰道中

不知火匡編
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(う〜〜近藤先生の話し長いっ!購買売り切れてるだろうなぁ・・・。)
今日に限って君菊さんは出張だ。また左之先生から恵んで貰うって手もあるけど、これ以上迷惑は掛けたくない。
こっそりトイレで着替えてバタバタと食堂に向って走っていると階段を降り切った所で思いっきり誰かにぶつかってしまった。
ガツンと額に当った硬い感触は、物凄く痛いっ!!
「い・・・た・・・。」
「・・・て・・・ぇ・・・。」
額を押えて涙目になりつつ、ぶつかった相手に謝ろうと顔を上げて、私は一瞬呆けてしまった。
これまた・・・他の皆さんとは違った意味で人目を引く人だぁ・・・。
「っんめぇ!!何処見て歩いてんだっ!しかも・・・このっ石頭!!」
「すっすみません!ごめんなさい!ちょっと急いでて・・・あの・・・大丈夫ですか?」
呆けた私の襟首を掴みあげて、いきなり怒鳴り散らしたその人は、癖毛なのかパーマなのか、
柔らかくウェーブした髪を無造作に括り上げた、少し目付きの鋭い浅黒なイケメンだった。
「大丈夫な訳ねぇだろ!この馬鹿っ!・・・あ?てめぇ、見ねぇ顔だな・・・。何年だ?」
「あ・・・あの、一週間前に転入して来ました!二年三組の雪村と言います!」
「・・・二年、三組の雪村?・・・あ?・・・ああ!!もしかして土方や沖田が惚れ込んで追い掛け回してるって転入生かっ!?」
うっ・・・!そんな有名なの!?
惚れ込んでって、そんな評判は嫌です!
「ちがっ!違います!あの人達が勝手に僕を入部させようとしてるだけです!僕は迷惑してるんです!!」
必死に言い訳する私を、その人は片眉を上げて面白そうに見下ろして来る。
「へぇ〜〜〜?あいつらの事をそんな風に言う奴がいるとはな。しかも二年三組で。面白れぇじゃん。」
「あ・・・あの・・・それじゃ、僕失礼しますね?」
何だか非常にとっても嫌な予感が頭を過ぎる!
これはとっとと立ち去った方が身の為だ!!
と思って踵を返したのに、私はそこから動けなかった。
と、言うより後退した。
「・・・あの・・・僕猫じゃないんですけど・・・。」
その人が、私の衿を掴んで自分の方へ引き寄せていたから。

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