遙かなる時空の中で4

魂の記憶〜犬茶様リクエスト〜
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『貴様、一体何者だ。何の目的があって姫に近付く。』
『忍人さんこの人は・・・』
『・・・千尋、この男は何者だ?』
『あのね、忍人さん、この人は風早って言って、私達の仲間だった人なの!だから怪しい人なんかじゃないから・・・』
『仲間?この男が?我が軍にこんな風貌の男はいなかった筈だ。』
『それは、そうなんだけど・・・私も忘れてたんだけど・・・。でも!』
『駄目だ、素性の知れない人間を王や姫の近くに置く訳にはいかない。貴様も身の程を弁えるんだな。』
『忍人さん!!』
『いいんですよ、千尋。忘れてしまって当たり前なんです。むしろ君が覚えていた事がおかしいんですから。』
『千尋、何なの。そいつ?』
『那岐まで!・・・そんな・・・。』
『とにかく、その男を宮に入れる訳にはいかない。姫に近寄らせる訳にもな。』
『と、言う訳です。千尋、俺はこの宮の近くに居座る事にします。心配要りませんよ。俺がここで何年過ごしたと思ってるんです?』
風早はそう言って笑うと、何も無かったかのように宮を出て行った。

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