短編集

君の手に触れながら〜あやさんリク〜
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斎藤ver
「じゃ〜〜・・・いっしょにっていっららいってくれらんれすかぁ?らいろ〜らん!」
「は・・・?千鶴・・・?」
「ろ〜せらいろ〜らんはおしごろばっかりれ!りっろも一緒にいれくれらいくれにぃ〜〜〜!!」
「ちょっと待て、千鶴。確かに俺は仕事をしている時が多いが、お前が願うなら一緒に花見位行ってやるが・・・。」
「うろ!!」
バンっと畳を叩き自分を見上げるこの娘は、一体誰なんだろう?
すっかり酔いが回り切り据わった目の先は何を見ているのか定まっていないように見える。
「や、山崎君・・・。どうやら彼女は俺と共に花見に行きたかったようだ・・・が・・・。」
「そ〜らんれすよ!やまらきらん!!れもれ〜らいろ〜らんはれんれんろんしょにいらいんれすよ〜〜。わらしはさびし〜んれすよ〜〜〜。」
よよよ〜〜と今度は山崎に向って泣き崩れる千鶴に、てっきり自分が誘われたと若干浮かれていた山崎は鈍器で後頭部を殴られるよりも致命傷を受けていた。
今はもう酔った千鶴が泣きつく様さえ、見せ付けられているようで居た堪れない。
「それは・・・寂しいかも、しれないな。だが、大丈夫だ雪村君。今夜はずっと一緒に居て下さるそうだ。」
「ほんろれすかぁ〜〜?」
「本当だ!ですよね、斎藤さん!」
もう自棄になった山崎はいっそ清々しい程投げやりだった。引き攣った笑みを斎藤に向けると、てぃやと千鶴を斎藤へと押し付けた。
「な!山崎君!未婚の男女が一晩同じ部屋で過ごす等・・・・!!」
「らいろ〜らん!いっしょにいてくれるっれいっら〜〜〜!!うそつき〜〜〜〜!!!」
いや、言ったのは俺じゃない!
「斎藤さん!。まさか新選組三番隊組長ともあろう人が嘘を吐く訳にもいかないでしょう!そう言う訳ですので、後はよろしくお願いします。」
そそくさとその場を後にした山崎。こっそり曲がった廊下の先で膝を付き落ち込んでいたのだが、そんな事とは知らない斎藤は内心で山崎に救いの声を上げまくっていた。
(山崎君!!何故こんな時に限って引き際が潔いんだ!!)
影と言わず日向と言わず、土方の命が無くとも千鶴の護衛と称して常に傍にいるにも関わらず、今夜に限っては山崎もそれ所ではなかったようだ。
見た目には判り難いが、酔った千鶴の扱いを持て余し焦る斎藤に、更に千鶴はシクシク泣き始めて手が付けられない。
「ちづ・・・千鶴、とりあえず、泣き止め。まるで俺が泣かせたようだろう。」
「まるれららくれ、らいろ〜らんがなかせらんれす〜〜。」
(濡れ衣だっ!!)




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