3/8ページ目 時は流れて秋も深まった頃。 「ねぇ・・・もう何回目かも判らないけど聞かせてもらうわ。ちょっと風間!一体いつまで待てば千鶴ちゃんは来るの!? 私は千鶴ちゃんに会えると思って京に帰らずにここにいるのよ!? 千鶴ちゃんが来ないなら帰らせてもらうわ!」 既に同じ質問を何度繰り返した事だろう。 数えるのも面倒な千姫の問いに答えたのは、見た目だけは穏やかな。 寧ろ笑みすら浮かべて機嫌よく見える風間だった。 「さぁな、俺は知らん」 「か、風間さん・・・?」 「何だ、不知火」 「あの、どうかなさいました?」 「どうしたは貴様だ、気色の悪い声を出すな、阿呆」 不知火が思わず気持ちの悪い敬語を使ってしまう程おかしいのはお前だと、喉まで出かかった言葉を飲み込んだのは経験値の高さ故か。 いつもいつでもあの土方と並ぶ程に不機嫌そうな様が堂に入った鬼の頭領は、それこそ気持ちの悪い笑みを浮かべたままだ。 「く・・・くっくっく・・・あの女・・・この俺をここまで待たせるとはいい度胸だ。 この地を訪れた瞬間後悔させてやる」 背景全てにオドロ線を背負った風間は決して機嫌がいい訳でなく、 唯我独尊天上天下全て俺の物とでも言いたげな普段の風間からは想像も付かないが、 千鶴を郷に迎えるに当たって珍しく我慢等と言うモノをした為にどこかが壊れたらしい。 出来る事なら世の為鬼の為、千鶴には未来の人身御供もとい花嫁に早く来て欲しいなぁと願ったのはそこに居合わせた全員の一致した願いだっただろう。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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