短編集

刹那恋咲(セツナレンサ)
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「全て世は事も無し・・・か・・・つまらん」
置屋の二階で、昼日中から盃を傾けていた風間千景はつまらなさそうに鼻を鳴らす。
実際鬼の頭領として其の名も実力も十分兼ね備えた風間にしてみれば、人間同士の争いなど些末な厄介事でしかないのだろう。
それでも最近は壬生狼共のおかげで少しは面白くなってきた所だった。
壬生狼と言えばたかだか酌をしただけで奴等の襲撃計画を阻止させられた。
何の気紛れかと自分でも思うが見ていて飽きない点では壬生狼共と然程変わりは無いだろう。
「あれは・・・」
「どしたぁ?風間ぁ?」
「ふ・・・丁度いい暇潰しが出来た。貴様は適当に遊んで行け」
「はぁ??」
一人手酌酒を呑んでいた不知火は、風間が見下ろしていた通りに目をやりにやりと笑いを零す。
「ご愁傷様。せいぜいご機嫌取っといてくれよ?」



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