1/7ページ目 〜現在1〜 「千景さ〜ん、出掛けますよ〜?」 「ああ、今行こう。」 玄関で千鶴が俺を呼ぶ声がする。 軽く返事を返してから、俺はわざとゆっくりと千鶴の元へと向かう。 案の定、千鶴は頬を膨らませて待っていた。 「も〜、千景さんってば!お千ちゃんとの約束に遅れちゃうじゃないですか!」 「忘れていたんだ。仕方なかろう?」 「忘れないで下さいよ。じゃ、行きましょうか?」 軽く詫びれば、ぶつぶつ言いながらも、すぐに機嫌を直して俺の腕に捕まってくる。 俺はそんな千鶴の頭を撫でて、絡ませた腕の先で手を繋ぐ。 千鶴は何も言わないが、この腕の組み方を好むのを俺は知っていた。 きゅっと手に力を込めて、嬉しそうに握り返してくる顔が、照れたようにはにかんで笑う。 こんな風に笑う千鶴の顔が、俺は特に気に入っている。 千鶴の好む腕の組み方、話し方、服装。 俺はいつの間に、これ程にこの女鬼に心奪われている。 初めて会った頃は、ただの純血の女鬼。新選組の奴らで遊ぶ為の道具でしかなかったこいつが 何故こうも俺の心を動かす存在になったのだろう。 俺の隣で微笑む千鶴を愛しく見つめながら、こいつと出会ったばかりの頃を思い出していた。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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