剣と桜と私と貴方

F
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「・・・・好きです。」
「・・・・・え」
「貴方が、好きです。」
泣き笑いにならないように、今私が出来る最高の笑顔で、私は想いの全てをぶつける。
「ずっと・・・ずっと・・・京に居た頃から、貴方が好きです。」
愛していますと、囁くように告げれば、永倉さんはふいに私に背を向ける。
「・・・・・あ”〜〜〜〜〜」
やはり、振られてしまうのだろうか。
それはそれで、仕方無いのかもしれない。
自分の為に愛しい男の命を危険に晒してしまったんだ。
悲しいけれど、それが現実。
想いを伝えられただけ、マシかもしれない。
「気に、しないで下さいね?
突然好きだ何て・・・驚きますよね。でも、私・・・・」
後悔したくないんですと、紡ごうとした言葉は声にならなかった。
私の唇は、彼のそれによって塞がれてしまったから。
「あぁ〜〜格好・・・・わりぃ・・・・」
長い、長い口付けの後、強く私を抱き締めて永倉さんは言う。
「何で、女に先に言わせちまうかなぁ・・・・」
私の肩に顔を埋めたまま、動かない永倉さん。
しばらくして、ようやく顔を上げた彼は、私の瞳を覗きこむように額と額を合わせる。
「憶えてるか?前に、京で俺が言った事。」
「京で・・・?」
「あぁ、まだお前が来て間もない頃だ。屯所で左乃や平助と呑んでっ時に」
「あ・・・・・」



例えばてめぇの惚れた女位、たった1人を幸せにしてやりてぇ


そう言っていた彼の瞳を思い出す。
暖かくて、優しい瞳。
今、私を見詰めるのと、同じ彼の瞳。
「あん時も、言ったよな。
俺は小せぇ男だよ。
気の利いた台詞も言ってやれねぇ。
惚れた女の気持ちにも、言われなきゃ気付いてやれねぇ。
剣術馬鹿で、それ以外の取り得なんか一個もねぇ。
けどさ、けど・・・な・・・


お前を守りたい。
お前を、誰より幸せにしてやりたい。
その気持ちだけは
誰にも
世界中の誰にも負けてねぇ自信がある。」


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