剣と桜と私と貴方

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「通せって・・・・言っても無理なんだろうなぁ?」
銀の銃を構え、風間さんに笑い掛ける彼は、その声音とは裏腹に、全身から闘気が立ち上っていく。
「その女は俺のモノだ。勝手に連れ出すのは許さん。」
「ったくよ〜」
「風間さん、お願いです!
私を行かせて下さい。
私を、あの人の元へ帰して下さい!!」
「気に食わんな・・・」
「え・・・?」
精一杯声を張り上げ訴える私に、気だるそうに風間さんは言い捨てる。
「それ程あの人間が恋しいか。
散り逝けば後を追いたいと祈る程。
その仇を取りたいと願う程!
今尚!満足に動けぬ体でヤツを焦がれるか!!」
驚いた。
いつも冷静に見える風間さんが、こんな風に声を荒げる姿は初めて目にしたから。
「何故、たかが人間に其処まで想いを賭ける?
そこまで執着する!」
「愛しているから!!」
激高する風間さんに、私も負けじと声を張り上げる。
正直、大声を出すのはまだ辛かったけれど、でも、この想いだけは、否定はさせない。
負ける事は、出来ない!
「・・・・あの人を、愛しているから・・・。ただ、それだけ、ですよ。」
少し泣きそうになりながら、風間さんに訴える。
頬を熱い雫が流れるけれど、私はそれを拭う事もせず、ただ風間さんを見つめ続けた。

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