剣と桜と私と貴方

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「とりあえず・・・な?
まず、食え。
そんで、寝ろ。
ひっでぇ顔してるぜ?
惚れた男にそんな顔、晒したくねぇだろうが。」
どうしてだろう。
不知火さんは鬼なのに、風間さんの仲間の筈なのに、どうしてこんな事を言ってくれるんだろう。
不思議そうな色が瞳に写っていたのだろうか。
バツが悪そうに頭を掻きながら不知火さんは言う。
「風間がおめぇを嫁に欲しがってるのは知ってる。
それが一族の為に一番いいのも知ってる。
けど、何か・・・違うんだよなぁ」
不貞腐れたような、拗ねたような表情の不知火さん。
この人、ちょっと永倉さんに似てる、かも・・・?
その発見に少し嬉しく思いながら、次の言葉を待つ。

何が違うかは
判んねぇんだけどよ〜

ぶつぶつ独り言を零しながら、ゆっくり水を飲ませてくれる。
「まぁ、あれだ。とりあえず、体力つけろよ。
あいつが迎えに来たはいいが、体力無くて足手まとい〜なんて
てめぇも嫌だろうがよ?」
「はい・・・・嫌、です。」
「んじゃ、飯、食うな?」
「はい、食べます。」
にっこり微笑んで頷くと、照れたように笑って出て行く。
多分、食事を持ってきてくれるんだろう。
不思議な気持ちだ。
さっきまでは、本当に死んでしまってもいいと思っていた。
あの人の居ないこの世に、未練なんてなかった。
なのに・・・。
「私・・・・こんなに永倉さんが、好きだったんだ。」
自分の中の激情に、今更ながら驚く。
そして、もういいと、思った。
例え想いが叶わなくていい。
あの人が他の誰かを愛しても構わない。
だから、次に逢えたら、必ず。
「好きですって、伝えよう。」
もう、後悔はしたくないから。

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