2/4ページ目 あれから、もう幾日経ったのだろう。 朧げな意識は混濁し、視界はブレたまま。 今、己がいる場所すら判らない。 「千鶴君、食事です。」 天霧さんが、今日も食事を持って来る。 「そろそろ、きちんと栄養を摂らなくては、いくら鬼でも死んでしまいますよ。」 心配そうな声音で私の口元に粥を掬った匙を近付ける。 そろりとそちらを見やるけれど、普段であればいい匂いであろう粥の匂いも、今は不快でしかない。 それだけで私は嘔吐感を感じ、実際胃液を吐き出す。 「う・・・・げ・・・・ぇ」 ぽろぽろと涙を零しながら黄色い液体を吐き出す私の背中を、天霧さんは優しく擦ってくれる。 「・・・どうだ。」 ふらりと部屋に入って来たのは紅い瞳の鬼、風間さん。 私の・・・永倉さんの、仇・・・だ。 ぐったりと咳き込みながら、自分を睨み付ける私を、風間さんは面白そうに見下す。 「面白いモノだな。そんなにあの男が愛しいか? 後を追いたいと体が食事も睡眠も拒絶しながら、俺を憎むが故に生へとしがみ付く。 死を渇望しながら生を望むか。」 ふっと一瞬暖かい笑みを零し、しかし投げられるのは冷たい一瞥と冷たい言葉。 「無駄な事だな。あの傷では恐らく助かるまい。 あの男は既に散った。操を立てるべき相手も居ない。 なのに何故、そこまで俺を拒絶する。」 息をするのもダルいけれど、これだけは言わなくてはと、私は体を起こす。 「貴方は・・・・」 私・・・の・・・・ そこでまた、私の意識は途切れる。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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