剣と桜と私と貴方

A
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永倉さんの衝撃(?)的告白から数日。

私は洗濯物を抱えテトテトと廊下を歩く。
そして私の後ろにはさながら主に叱られた犬のような永倉さん。
「な〜〜悪かったって。まじすまねぇ。」
しょんぼりと、垂れる耳まで見えるようだ。
そんな永倉さんを、内心可愛いなと思って見ていたけれど、実際私の怒りはまだ燻っていたので、ちらりと視線だけを投げ、そのまま洗濯物に火熨斗を当て始める。
「な〜どうやったら許してくれんだよ?」
「何だ、まだやってんのか。」
きゅ〜〜んと鳴き声が聞こえそうな永倉さんの後ろから、呆れたような声を出すのは原田さん。
あの夜の告白を彼にぶち撒けたところ、お腹を抱えて爆笑された。
後にも先にも原田さんのあんな大笑いする処を見たのは初めてだ。
ある意味貴重なモノを見た気がする。

「左之〜〜〜だってよ〜〜」
「あ〜知らねぇよ。ってか、おめぇがわりぃだろ、明らかに」
ぷっと、また思い出したのか吹き出しながらバシバシと永倉さんの肩を叩く原田さん。
「・・・原田さん・・・?」
「うぇっ・・・まぁ千鶴よ!いい加減許してやれや、新八の「これ」は、どうしようもね〜よ」
わざとおっとりと呼び掛け視線を向ければ、慌てたように逃げて行ってしまった。
彼が「これ」と指したのは頭。
鈍いのは諦めろ、と言いたいらしい。
確かに、諦めてはっきり伝えた方が早いような気がしてきた。
でも、それでは何だか負けたようで遣る瀬無い。

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