2/4ページ目 混乱し私の胸にぶつかったそれを確認しようにも、衝撃と共にどうやらどこかへ飛んで行った眼鏡が見当たらず視界が霞んで全く見えません。 しかし先程聞こえた小さな声には何処か聞き覚えがあるような・・・? 「あの・・・すみませんっ!大丈夫ですか!?」 「はい・・・?その、声は・・・。」 暫し冷静になろうと勤める頭を駆使し、声の主を思い描くと共に、私の右手が触れる柔らかい感触が何かと言う事まで理解してしまった。 「き・・・君は・・・っ!」 「すみません・・・あの・・・山南さん?」 「雪村君・・・ですか?」 「はい?あの・・・そうです、雪村ですが・・・もしかして、山南さん見えてないんですか?」 「いや・・・いえ、そうですね・・・まぁ、そうです。はい・・・。」 我ながら、一体何を言ってるんだろうとは思います。 しかし視界は霞むし妙に柔らかい感触は普段の男装姿からは想像も出来ない程触り心地もよく・・・。 結果として私はみっとも無く尻餅を突いた状態で間抜けな返事をするしか無かったのです。 「雪村君。申し訳ありませんが、その辺りに私の眼鏡が落ちてはいませんか?」 「・・・へ?」 「いえ・・・。実は私、眼鏡が無いと全くと言っていい程視界が覚束無いのです。恐らく近くに落ちていると思うのですが・・・。」 「あ・・・の・・・。」 呆気に取られた彼女の声は、きっと新選組総長らしからぬ失態に失笑している故だと思います。 しかし見えない物は見えないのですから、仕方が無いでしょう? そんな私の思惑を知ってか知らずか、何故か彼女の視線は私へ向けられたままな気配がヒシヒシと・・・。 「あの、雪村君?とりあえず眼鏡をお願い出来ますか?それと、あまり見ないで頂きたいのですが・・・。」 「あ!す、すみません!!め、珍しくて・・・。」 「珍しい?ですか?それは、そうかもしれませんね。私は人前では眼鏡は外しませんから。」 「いえ、そうでなく・・・その、山南さんの、そう言うお顔が、です。」 「そう言う・・・とは・・・。」 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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