2/7ページ目 「原田さんは行かれないんですか?」 「俺は酒さえ呑めりゃどこでもいいんだ。わざわざ島原まで行かなくても、屯所でお前に酌されてる方がゆっくり呑めるだろ。」 新選組で一・二を争う色男。 原田左之助はそんな風に笑って千鶴の頭を撫でた。 その仕草に、子供扱いされていると思いながらも千鶴は自然顔が綻んで行くのを止められなかった。 しかしまた別の日。 毎回付き合いを断る左之助を、新八が痺れを切らしてほぼ無理矢理に引き摺って連れて行く。 「おめぇら付き合い悪過ぎなんだよ!たまにゃぁ一緒に来い!」 左之助はともかく、何故自分まで?首を捻る千鶴まで島原に連れて来られてしまう。 しかしその理由は程なくして判った。 「いや〜お待ちしてましたん!雪村さん!」 「へ?え!?」 「この姐さんがよ、前に一度来たお前さんを気に入ったってんだ。で、次ん時ゃ絶対一緒に!って頼まれてたんだ。 ま、左之助はほぼ全部の姐さんがお待ちだったんだけどな。」 後半は不貞腐れたような新八のセリフは千鶴の耳に入らない。 一体何故!? いくら男装しているとは言え、男としては格段魅力の無い自分を気に入ったと言う姐さんの気が知れない。 「雪村さん、さぁさぁ、まずは一献どうぞ。」 「は・・・はぁ・・・。」 勧められるまま酒盃を煽る千鶴。 それを左之助が心配そうに見守るが、綺麗な姐さんにしな垂れ掛かられしどろもどろな千鶴は気付いていない。 「おい、ちづ・・・じゃねぇ雪村、大丈夫か?」 「あ、原田さん・・・はぁ。まぁ・・・何とか・・・。」 と言いつつも、既に呂律も怪しい千鶴を左之助は抱えるように立ち上がる。 「わりぃ、こいつ限界みてぇだから、連れて帰るわ。」 「「「え〜〜〜!!」」」 姐さん連中から一斉に不満の声が上がるが、左之助は詫びれた風もなくとっとと帰ってしまう。 そんな中、千鶴目当ての姐さんだけは一人嬉しそうに顔を綻ばせた。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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