1/12ページ目 「あ・・・っ!」 「どうした、千鶴」 最初の異変は、とある昼下がり。 屯所の中庭に植えてある木の枝で私が指を傷つけた事だった。 「小さな棘があったみたいですね、切っちゃいました」 今更棘があったと気付いた事に驚くより、斎藤さんが一瞬見せた暗い瞳に息を飲んだ。 「・・・ああ、そのようだな。気を付けろ」 そう言って傷ついた指を軽く舐められた咄嗟に俯いてしまい、この時彼の瞳に浮かんだ闇を見る事は出来なかった。 翌日。 「う・・・わ、ひでぇな・・・」 先日私が指を傷つけてしまった木は、見る影も無くズタズタに裂かれ、根元から折り切られていた。 「かなり古木だったのだろう。残念だが、これでもうお前が傷つく事はない」 「そう、ですね・・・」 薄く笑みすら浮かべた斎藤さんは冷ややかにそう言い放った。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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