新選組保育日記

23〜監察方ちるる!
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久し振りに千鶴と添い寝をした朝の事。
初めてそれを目にした烝は、たどたどしく書かれた内容に思わず顔を綻ばせていた。
烝の仕事は監察や諜報活動。
主に町人に成りすましての間者働きが多い。
一度任務に就くと長い時では一月二月帰って来ない事もある。
今回の任務も少々厄介な潜入だった為、一月近く屯所を空ける事になってしまった。
いつも自分に懐いてくる小さな笑顔を思い出すと、気は急いたがそこは烝の事。
手を抜く事無くしっかり仕事をこなして今朝早くに戻って来た。
報告を済まし着替えたところにちょうどテトテトと可愛い足音が近付いて来る。
「すむ〜〜〜〜!!」
誰かに聞いたのだろうか?
一目散に自分目掛けて走り寄る姿は可愛くて仕方ない。
が、途中思いきりすっ転んだ。
「千鶴君!大丈夫か!?」
絶対泣く!と思ったが、予想に反して千鶴は泣かずに逆にニパッと笑ったのだ。
「あい!らいじょ〜び!すむ、げんき!?」
「あ、ああ。元気だ。君も元気そうだ。よく泣かなかったな。お利口にしていたか?」
「おりこうした!ちるがんばったよ!」
烝が抱き上げれば更に嬉しそうに抱きついてくる千鶴。

その二人を羨ましそうに見詰めながら、土方が遅れてやって来る。
「そりゃホントだぜ、山崎君。お利口にしてたら山崎君が早く帰って来るって言ってたからな。
随分頑張ってた。褒めてやってくれ。」
少々妬き気味な土方は零れんばかりの笑顔を浮かべて千鶴の頭を撫でる。
「当分厄介な仕事はねぇ筈だから、千鶴と・・・。」
「ああ!山崎君、こんな処に居た!戻ってすぐですまないが、仕事を頼まれてくれないか?」
「源さん?一体何の仕事だ?」
「この甘味屋が、長州藩士の落合場所らしいんだ。島田君にでもと思ったんだが・・・。場所が場所だけにねぇ?」
あのゴツイ体で甘味屋では、さすがに少々目立ち過ぎてしまうだろう。
その点烝は仕事となれば何処にでも馴染む事が出来る。
ただ問題は・・・。
「すむ・・・おちごと?」
「・・・ああ・・いや・・・。」

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