2/3ページ目 ・・・・・・。 「えと・・・。か・・・紙の刀??」 「お、すげぇ平助、よく判ったな!」 「いや・・・判んねぇから。」 「???しゃにょ、そえなに??」 「刀・・・あ、いや。耳かきだ!」 「ほえ〜??」 「千鶴、左之は放っといて次だ次。」 「お、山崎君も手先器用だからなぁ、ってかこれって俺達じゃね?」 「ホントだ、これ俺だな。こっちは新八か?」 「ふぁ〜〜〜すむじょうじゅ〜〜〜!しゅごいしゅごい!」 あまりに精巧なそっくり折り紙に興奮した千鶴。あまりにはしゃぎ過ぎて思わず新八の折り紙を踏んづけた挙句破ってしまう。 「あ・・・。」 (((新八・・・折り紙になってまで不憫な・・・))) 皆の同情を集める新八は未だ広間の隅で撃沈中。復活する事は当分ないのでとりあえず皆放置を決め込んだ。 「俺はこれだ・・・。」 「一君?これもまた左之さんのとは別な意味で判り辛いんだけど?」 「・・・隊服だ・・・。」 「え?」 「千鶴は隊士ではない。だが、俺達の大切な仲間だ。本物の隊服は与えてやれないが、折り紙の隊服なら構わないだろう。」 「はじめ・・・こえ、ちるるのはおり?」 「ああ、そうだ。お前だけの隊服だ。小さくて着れないだろうが・・・。」 「・・・」 きらきら輝く目で一からの折り紙を見つめる千鶴に、全員が負けたと思った。 しかしいつもと違い、不快な敗北感でなく逆に隊服に喜んでくれる千鶴を見て皆穏やかな笑顔へと変わる。 「・・・はじめ、ありあと。ほんちょにありあと・・・。」 小さな隊服を大切に手の中に閉じ込めて、千鶴は満面の笑みを浮かべる。 千鶴を膝に抱き締めた土方も、目だけで一に礼を告げた。 大切で大切で、掛け替えの無い存在。護るべき小さな愛し子は、それでも新選組に入れる訳もなく、大きな声で仲間とは呼べない。 だけれど今此処に集る面々にとって、千鶴は大切な仲間。 その皆の気持ちを一の作った紙の隊服が現していた。 「さすがだよね、一君。」 「うん、全然敵わねぇよ。」 「良かったな、千鶴。」 「いい出来ですね。綺麗な隊服です。」 「ああ、これはいい物を作って貰ったねぇ、千鶴君。」 「あい!ちるるうれしぃ!としちゃ、こえみて!ちるるのはおり!」 「良かったな、千鶴。斎藤によ〜く礼言っとけ?」 「あい!はじめいっぱいいっぱいありあと!」 「ああ、気に入って貰えたなら良かった。」 「そう言えばさぁ、一君と山崎君のお年玉って何だっただ?」 「そうだなぁ、そういや見てねぇわ。」 「千鶴?山崎君と斎藤に何を貰ったんだ?」 「う?」 「う、じゃねぇよ、お年玉。何貰ったんだよ?」 「はじめはこえ。すむはこえ!」 「え・・・って・・・・一君。これちょっと犯罪。山崎君・・・?何か山崎君と似てる気がするんだけど・・・。」 「千鶴が一番喜ぶ物を考えた結果、それに決めた。実際喜んでいるだろう。」 「あい!はじめありあと!すむきえいね〜。」 千鶴の手にあるのは烝そっくりな姿絵。しかも微妙に半裸なのは何故・・・。 それを見た土方の眉間に一気に皺が増えるが、取り上げようにも喜色満面な顔を見るとそれも難しい。 「・・・く・・・斎藤。てめぇ・・・・。」 「全裸ではなくただの入浴風景です。問題は有りません。」 「山崎君は・・・いい訳?」 「千鶴君のみが鑑賞するのであれば問題は有りません。」 (((いいのっ!?だって結構際どい半裸だけど!!?))) 「そ・・・そうなんだ・・・。で、山崎君からのは、何?」 「俺が好む香袋です。任務の際は使用していませんが、普段はそれと同じ香を焚き染めています。」 「へぇ・・・山崎君普段いい匂いすると思ったら、香なんか焚いてたんだ?」 「はい、それを持っていれば傍に居なくても俺が共にいるような気がするのではないでしょうか。」 「こえすむといっしょのにおい!ずっとすむといっしょ、いれりゅ!」 「俺は任務で常に傍にいる訳ではない。だが、これで寂しくはないだろう?」 「あい!おしごとないのひはいっしょね?」 「勿論だ。」 「・・・何て言うか・・・。」 「俺ら眼中ないよな。」 「思いっきり両想いじゃん。」 「俺は後ろの土方さんがこえぇよ・・・。」 「・・・千鶴が喜んでるから仕方ねぇ・・・仕方ねぇが・・・!」 「まぁまぁ、土方さん。千鶴ちゃんが喜ぶ事が一番でしょ?、それよりほら。もうお姫様はお眠みたいですよ?」 ギリギリと歯軋りをする土方に、慌てて総司が気を逸らす。 見れば確かに大きな瞳はとろんと垂れ下がり、今にも瞼は閉じそうになっていた。 今まで皆が集まり楽しさと嬉しさに無理をして起きていたようだ。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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