新選組保育日記

Q〜子供は風邪の子〜
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「・・・すむ・・・あちゅい・・・」
「そうだな、少し熱が下がりかけているんだ。汗を掻いたら体を拭こう。さっぱりする。」
「すむ・・・おちぇちぇ・・・つないで。」
「大丈夫だ、ここにいるから、安心しろ。」
「・・・はじめは?どこ・・・?」
「ここだ、白湯を持って来た。喉を潤すといい。山崎君、膝に抱いてやってくれるか?」
「はい。・・・さぁ、おいで。」
ゆっくり千鶴を抱き起こし、膝に抱え上げると、くったりと小さな頭を肩に凭せ掛けてくる。
熱のせいで潤んだ瞳からは常に涙が溢れ、ひゅぅひゅぅと苦しそうな息遣いが見守る二人の心を締め付ける。
「ゆっくりと、焦らなくていいからな。」
こくんこくんと白湯を嚥下する様子に、少し安心するが、だからと言ってすぐに熱が下がる訳ではない。
「それを飲んだら少し眠るといい。不安ならこのまま抱いていてやろう。」
「だっこ・・・。」
「判った。斎藤さん、しばらく俺が診ています。斎藤さんは少し休んで下さい。」
「・・・しかし・・・。いや・・・判った。俺も休もう。」
否やを唱えかけるが、一瞬千鶴の顔が歪むのを見た一は、千鶴を安心させる為に頷き直す。
烝に軽く頷いて外に出ると、待ち構えていたかのように他の幹部が寄って来る。
「斎藤、千鶴は?」
「熱下がったか?」
「少しは楽になったかな。」
「明日には遊べそうか?」
「お前ら・・・。明日はまだ無理だろう。熱も下がらない。
良しんば下がったとしても当分大事を摂って外遊びは禁止だ。」
嘆息しつつ告げられた内容に、一同落胆を隠せない。しかし恐らく今夜は確実に熱に苦しむだろう千鶴に、胸が痛むのも事実・・・。
「土方さん、早く帰って来ねぇかな。」
「だな、やっぱ土方さんが一番だろうから・・・。」
「今は山崎君が居てくれるけど。任務が無くてよかったよね。」
「いや〜山崎君なら任務があっても傍にいてくれるって。」
何だかんだと言い合いながら、幹部達は一番近く、しかし話し声の聞こえない程度に離れた部屋へと戻っていく。
少しでも千鶴の傍に居たい思いの表れだ。そんな皆に苦笑を洩らす一もまた、同じ部屋へと吸い込まれた。

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