新選組保育日記

P〜おしゃれ番長〜
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春の野に色取り取りの花が咲く
花冠に花の首飾り
手折れば枯れる草花も乙女の身を飾る為ならば
喜んで手折られるのではないだろうか


『○月×日  ゆきむら ちづる
     おはなでたくさんくびかざり
     おはなでたくさんかんむり
     いろんないろのがつくれたよ
     いろんなのつくってくれて ありがとう』


土方と千鶴の部屋には文字通り色取りどりの花飾り。
埋もれそうな花飾りの中で土方は笑うしかない。
「あいつらは・・・何の勝負だ、全く・・・。」
昼間、何故だかお弁当まで持って一と総司と三人で出掛ける事になった。
久しぶりのお出掛けに、千鶴は大はしゃぎ。
「はじめ!そうじ!ちょうちょ!おはにゃにとまった!!」
「千鶴!あまり走るとこけるぞ。」
「ぶぎゃっ!」
「うわ・・・。千鶴ちゃ〜ん。」
はじめが注意した傍から思いきり顔から転んでしまった千鶴。
「ふえ〜〜〜ん。」
「あ〜ららら。」
「泣くな、千鶴。すぐに薬を塗ってやる。」
膝小僧と鼻頭を擦り剥いただけなのだが、流れる血に驚いてなかなか千鶴は泣き止まない。
それを見た総司がふっとどこかへ消えたかと思えばすぐに戻って来た。
「はい、千鶴ちゃん。」
ぽんっと渡されたのは綺麗に編まれた花冠。
「ふわ〜〜おはにゃ!おはにゃのかんむり!」
「可愛いね、よく似合ってる。」
「そうじ〜おはにゃ、きえい!ありがちょ!!」
さっきまでの泣きべそはどこへやら、すっかり上機嫌になった千鶴に一の顔も和む。
「千鶴、よく似合っているな。」
「あい!はじめもちゅくて!」
「は・・・?」
「いいね、斎藤君。君も花飾り作ってよ。どっちが綺麗か勝負しない?」
「何故俺がお前とそんなくだらん勝負をせねばならないんだ。」
「はじめ・・・はにゃかじゃり・・・ちゅくてくれにゃい?」
円らな瞳にじっと見つめられ、否やと言える一ではなかった・・・。画して、総司と一の花飾り対決が勃発する。
「はい、花冠どうぞ、お姫様。」
「俺は首飾りだ。先程と同じ物とは芸がないな、総司。」
「何言ってんの?上から順に作っていくに決まってるじゃない。千鶴ちゃん、今度は首飾りだよ。」
「帯紐の代わりだ。」
「斎藤君、なかなかやるけど僕の方がいい趣味だと思わない?色合いが暗いよね、斎藤君の性格そのままなんだよ。」
「そう言うお前はさすが常に頭から花を咲かせているだけあって兼ね合いも何もない花の合わせ方だな。」
花飾りを作りつつお互いを貶めあう二人を横目に、次から次へと出来上がっていく花飾り。
千鶴はキラキラ目を輝かせてそれら全てをひたすら身に付けていく。
しかし二人があまりに大量に作っていくものだから、あっという間に千鶴は花に埋もれてしまった。
「あれ・・・千鶴ちゃん??大丈夫?息出来てる?」
「あい・・・・らいろ〜び・・・。」
「あまり大丈夫ではなさそうだな・・・。総司、花飾りを外すぞ。」
「え〜〜?勿体無いよ。」
「だが千鶴が窒息するよりマシだろう。」
総司がぶつぶつ文句を言いながら外しに掛かると、中から千鶴の潜もった声がする。
「らめ〜〜おはにゃ!もってかえりゅの!ぽいしないの!」
「そうは言うが・・・・このまま花に埋もれては歩く事も困難だろう?」
「あ、そうか。うん、千鶴ちゃん、捨てなきゃいいんだよね〜?」
「あい、ぽいはしないの!」
「ふ〜ん・・・・だって、斎藤君?」
ちろんと自分を見る総司の目の色に、嫌な予感が走り後退りする一。
「待て、総司。何を考えている。」
「駄目だよ、逃がさないよ?」
逃げる前にがっしり捕まり総司の声が耳元に響く。その声音に更にいやな予感は増す一方。
「待て、止めろ総司!」
「言ったでしょ?逃がさないって。諦めて、僕の言う通りにしてよ斎藤組長?」
「総司・・・!よせ!!」

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