短編集

恋せよ若人
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「あ〜〜!今日も疲れた〜〜!」
「お前疲れたって今日の巡察じゃなかったろうが。」
「巡察じゃなくっても屯所で土方さんにコキ使われてたんだよ!。」
「あ〜そうですか、けど今から愛しの千鶴んとこ行くんだろうが?このマセガキ。」
「五月蝿いなぁ、いいじゃん別に。仕事は終わってんだし!。」
「まぁ好きにしろよ。他の平隊士に見付かんねぇようにな?」
「それは大丈夫、気ぃ付けてるし。」
「じゃ、頑張って来いよ〜」
毎日の事だけど、俺こと藤堂平助は夜仕事が終わってから、いつも千鶴の部屋に行く。
特に何するでもないけど、一日の終わりに千鶴の顔を見ると癒される。
何か傍に居ると嬉しいっていうか、胸の辺りがふにゃふにゃするっていうか・・・。
要するに俺は千鶴に惚れてる訳だけど、最近思うのは、千鶴はどうなんだろうって事。
俺が部屋に訪ねても、嫌がる素振りは見た事ない。寧ろ喜んでくれてると思う。
だから可能性は高いと思う。
なのに・・・イマイチ踏み切れないのは・・・俺に度胸がないからだろう。
それでもやっぱり逢いたくて、今夜も千鶴の私室の部屋の前で、中に声を掛けてる俺がいる。
あぁ・・・俺って駄目駄目。
「千鶴〜〜俺〜入っていいか?」
いつもなら、どうぞってすぐ返事が来るのに、今日は違った。
「え!?平助君!!??」
「うん、そう。入るぞ?」
「・・・・・だ、駄目〜〜〜〜!!絶対入っちゃ駄目!」
「へっ!?何で!?」
「何でも!駄目ったら駄目!」
今まで一度だってこんな風に拒絶された事がなかったから、俺は内心すげぇ驚いて
何か怒らせる事したかなとか、どっか調子悪いのかなとか、色んな考えが渦巻いてた。
「・・え・・・と。んじゃぁ・・・今日は、部屋に戻るな?おやすみ。」
ここでも、いつもはちゃんとお休みって返してくれるのに、それすら無かった。
って、これって、無視って事?俺って千鶴に無視された!?何で!?
マジで・・・俺、何したんだよ・・・。
呆然としながら広間に戻ったら、左之さんと新八っつぁんが呑んでた。俺はドカドカ二人に近付いて
驚く二人を無視してガバッと酒をぐび呑みした。
「お、おぉ〜〜??どうした平助〜〜?」
いつもの俺らしくない呑み方に、新八っつぁんは目を丸くして、左之さんは一番聞かれたくない事を聞いてきた。
「って、お前、千鶴は?」
ゴメン!左之さん!
俺、今一番その名前聞きたくねぇから!勘弁して!!
半分泣きそうになりながら、ひたすら酒を煽っていく。けど全然酔ったり出来なくて、頭ん中は『何でだよ』ってそればっかだった。


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