短編集

すれ違いの恋だった〜まぉ様より80000HITリク
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こいつに出会ったのは今から四年前。

まだ新選組が京で京都守護職預かりとなって、間もない頃だった。

初対面での印象は、エラく小さくて(俺もだけど)細い男だな〜だった。

すぐ後で実は女だと聞かされて、小さくても当然かと納得出来たと同時に、助けてやりたいと思った。

だってこいつは何も悪くないのに、ただ新撰組の凶行を見ちまったってだけで殺されるなんて可哀想じゃん。

だから網道さんの娘だって判って新選組に匿う事が決まった時、すげぇ良かったって安心して嬉しかった。

「平助君。」

「お、千鶴じゃん。今日も精が出るなぁ。」

屯所で見かける千鶴はいつも掃除や洗濯や幹部の雑用をこなしてた。

いつだって何か一生懸命で、辛い事や我慢する事だらけの筈なのにそれでも笑ってる千鶴はすげぇと思った。

だから、そんな千鶴を見てられるのは嬉しかった。

”嬉しい”が、”愛しい”に変わったのが何時か、なんて覚えちゃねぇけど、でもただ見てるだけで良かったのに、傍に居られるだけで良かったのに、
いつの間にか触れたいと思うようになったのは、あいつが俺じゃなくて、俺とは違うヤツの背中を見てる事に気付いたからかもしれない。

「馬鹿だよね、届く事なんてある訳ないのにね。」

「馬鹿じゃねぇだろ。届かなくたって、惚れちまったもんはしょうがねぇじゃん。」

少し泣きそうな顔で、自分の想いを諦めようとするアイツに苛立った。

何でそんな簡単に諦めるとか言うんだよ。

何で俺にばっかそんな話するんだよ。

何で俺の気持ちには気付かない訳?

そんなイライラを口に出せる筈もなく、俺はただ千鶴を抱き締めた。

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