Moments〜君と見る夢〜

序章〜夢の始まり〜
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『Moments』〜word:ayumi hamasaki〜
〜販売元:エイベックス・トラック



〜花のように儚いのなら
君の元で咲き誇るでしょう

そして笑顔見届けた後
そっと一人 散って逝くでしょう〜



序章〜夢の始まり〜






彼との出会いは
咽るような血が飛び散る戦いの最中
平助君を助ける為飛び出し、何とか敵を撃退したモノの
平助君は額を割られ重傷だった。
「誰か・・・!誰か!!」
何とか平助君を池田屋の外まで運び出したはいいけれど、止血の為にサラシを巻く位しか出来なかった。
戦いに備えて薬も常備していないなんて!
蘭方医の娘が聞いて呆れる。
「どうしよう・・・。」
途方にくれ掛けた私の肩を、誰かが力強く引いた。
驚く間もなく彼は冷たく言い放った。
「邪魔だ、どいていろ。」
真っ黒な装束に身を包んだ彼は、それきり無言で平助君の治療に当たる。
「あの・・・平助君、大丈夫ですか?」
「大丈夫ではない。が。命に関わるような怪我でもない。」
「そうですか。良かった・・・。」
ほっと息を吐く私を、黒装束の彼がじっと見詰めてくる。
「あの・・・・何か?」
その視線の鋭さに居た堪れなくなり問い掛けると、何も言わずに私の腕を引いた。
「っ!?痛っ?」
引かれた腕がひどく痛む。
見れば、随分酷い刀傷があった。
夢中で気付かなかったけれど、どうやら刀で斬り付けられていたようだ。
彼は無言のまま私の腕の傷を手当てしていく。
恐らく、この程度の傷なら明日には塞がっているだろうから、平気だとは思うけれど、
そんな事を言えば不信がられてしまう。
だから私も無言のまま、されるがまま動かないでいる。
「・・・とりあえず応急処置だ。屯所に帰ってキチンとした治療を受けた方がいい。」
「あ、ありがとう・・・ございます。」
目だけで頷いた彼は、そのまま池田屋の中に戻ろうとする。
そこで初めて私は彼の名も知らない事に気付く。
「あの・・・!」
思わず呼び止めた私に、少しだけ振り返り、目で何だと問い掛けてくる。
「私は雪村千鶴と言います。貴方のお名前を教えてくれませんか?」
一息にそれだけ叫ぶと、彼は一瞬目を見開く。
しかしすぐにその色は落ち着きを取り戻し、体毎こちらに向き直った。
「山崎。山崎烝だ。特にあんたに興味は無いが、以後関わる事もあるだろうから名乗っておく。」
「山崎さん・・・・。」
私が呟く間に、今度こそ彼は戦いの真っ只中へと駆けて行く。
それが彼、山崎さんと、私との出会いだった。


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