短編

マジで嵐の5秒前〜土方君〜
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「はぁ〜〜。」
新選組鬼の副長、土方歳三は怠業に溜息を吐くと机の上の茶を飲み干した。
「副長、随分お疲れのご様子です。風呂に浸かって今日はもう休まれては?」
斎藤に促され、連日激務だった土方もさすがに素直に頷いた。
「そうする。俺はもう寝るから、お前も休め。」
「はい。お疲れ様でした。」
再び大きな溜息を吐きながら着替えを持って風呂場へと向かう。
脱衣場で着物を脱ぎながら、何となく誰かの気配を感じるが今はそんな事を気にしている余裕は無く、とっと風呂に入って眠りたかった。
がらりと引き戸を開けると、何故か随分と湯気が立っており首を傾げる。
「あぁ?さっきまで誰か入ってたのか?」
「・・・ひ・・・土方さん・・・?」
「・・・は?」
ふと見れば、何故かそこには千鶴が居た。
一瞬風呂場の掃除か?と思ったが、それにしては一糸纏わぬその姿は府に落ちない。
「お前・・・何やってんだ・・・?」
「何って・・・お風呂に・・・。それより・・・土方さん・・・。」
千鶴が段々と青ざめていく視線の先を追えば土方の体を上から順に目線が下がっていき、ある一点でピタリと止まった。
「っ!!!きっ・・・・!!!」
「っ!?んだぁ!!ちょっと待て〜!!」
悲鳴を上げ掛けた千鶴に慌てて近付き口を塞ぐ。
こんな夜中にこの状況で悲鳴を上げられてはすぐ誰かが駆け付けて在らぬ誤解を受けてしまう。
それだけは避けたかった故の行動だったが、逆に千鶴が目を白黒させて暴れ出す。
「ちょ・・・ちょっと待て!千鶴!落ち着け!俺はただ・・・。」
「トシ?そこにおるか?久し振りに背でも流してやろう。」
「なっ・・・!こ、近藤さん!?ちょっと待ってくれ!!」
「何を遠慮する事がある。入るぞ〜。」
そこに運が良いのか悪いのか、何故か局長である近藤が入ってきた。
他の誰に見付かるよりも、土方にとっては一番見られたくない相手。
引き戸を開けて中を見た近藤は、全裸の土方とその土方に(近藤から見て)羽交い絞めにされる千鶴。
「ト・・・トシ・・・。」
「あ・・・・いや、近藤さん、これは、その・・・・。」
「な・・・・な・・・・。」
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