1/2ページ目 ってより無理だろう。 何無茶言ってくれてんだ、ゴルァ!・・・と思っても言えない。 言える訳がない。 怒気も露わに刀を弄び眉間の皺を増やし続ける頭領を前にして、言ったが最後確実に短くも無い生涯を終える羽目になりそうだ。 別に生に執着はないけれど出来ればもっと楽しんでいたいし、この男とあの馬鹿の子供が見たいと思う。 なのに何故そんな些細な願いさえ聞き届けられないのか。 それもこれもあの天然馬鹿のせいだ。 とは思ってもやはり口にはしない。 頭もいいし腕も立つ。 見目も悪くは無いくせに番である許嫁にだけは甘過ぎるこの男は今回の原因を本人ではなく世話役の自分のせいにしているに決まってる。 あの馬鹿を責めようものならそれこそ以下同文だ。 「だから・・・今すぐっつっても、何処にいるかも判んねぇもんどうしろって・・・」 ヒュンッと、耳の横を風が掠め頬に微かな痛みを感じる。 背後で聞こえた音からして小刀が飛ばされたらしい。 止めて、俺の人生ここで終わるから。 心の底から天然馬鹿に向かい悪態を吐き出しつつ、深い深い溜息が出るのも仕方ないだろう。 「不知火・・・」 「いや、判ってる判った判ったから抜くな!っつか俺のせいじゃねぇだろ!」 だったら誰のせいだと聞かれても答えたくもないが自分のせいだけにして欲しく無い。 とにもかくにもさっさと見付け出して連れ戻さない事には命がいくつあっても足りやしない。 「とりあえず、捜しに行ってくるから、お前は京の姫に適当に言い訳しとけ。天霧はどうするよ?」 「私も千鶴様をお捜しに行きます。いいですね、風間」 「構わん。新選組の犬共に捕まる前に連れ戻せ」 振り返りもせず言い捨てた頭領に向かい一礼した天霧と不知火は、一先ず京の町へと繰り出した。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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