1/4ページ目 【昨日より今日より明日】 山里では早くも白い雪がチラホラ舞い散る季節。 元・新選組八番隊組長藤堂平助は吐く息の白さに辟易しながら帰路を辿る。 寒さに剥き出しの脚やら腹やらは凍えるが、もうすぐ自分を出迎えるだろう笑顔を思うと自然顔が綻んだ。 サクサクと草木を踏み締め木々の隙間から覗く我が家が見えた瞬間、平助は脱兎の如く走り出した。 「千鶴―――!!」 家屋前の庭先で畑の野菜を収穫する愛しい人の姿目掛けて大きく手を振ると、俯いた顔がパッと振り返り寒さも弾け飛ぶ笑顔が向けられた。 「平助君!お帰りなさい!!」 「ただいま、千鶴!野菜の収穫なんて俺がするって!千鶴は中入ってろよ、寒いだろ?」 「ううん、この位平気。平助君こそ手が冷たい!早く入ろう?すぐ熱いお茶入れるから」 すぐそこまでの距離すら愛しさを抑えきれず絡めた指の冷たさに、千鶴の心配げな声が高くなった。 家に入り、すぐに熱い茶と頂き物だと言う茶菓子を頬張る平助はささやかながらも我が身の幸せを噛み締める。 ふと気になったのは見慣れない茶菓子の贈り主。 もしやまさかと思うモノの、念の為にと恐る恐る問い掛けると、千鶴は詫びれもなく大きく頷いた。 「あ、うん。風間さんとお千ちゃんが来てたの」 「またぁぁぁぁ!!!??」 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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