2/3ページ目 (ま、まさか・・・バレてる・・・!?ううん、そんな訳ないよね!?だってあの人達が家まで押し掛けてきたのなんて知らない筈だもん!) 彼女がたまの休日、よりにも寄って月に一度の貴重なデートのこの日に遅刻したのには訳がある。 普段から学校で朝から放課後まで彼女に付き纏う先輩や同級生、果ては教師達が何故か今日に限って彼女の家まで押し掛けてきたのだ。 すったもんだの挙句に何とか振り切ったはいいモノの、待ち合わせに遅れてしまい今に至る。 日常的に繰り広げられるストーカーじみた彼らの行いを、当然千鶴の恋人でもある彼も知っていた。 何故なら彼も彼女の通う高校へ毎日通っている、更に言うなら彼女の高校の保健医であるのだから。 「あの、山南先生?私、何か・・・あ、いえ!遅刻した事は反省してます!凄く反省してます!でも、あの・・・それ以外に、何かしました、か?」 恐る恐る上目使いに窺う千鶴は、その時確かに山南の背後にオドロ線が見えたと思った。 (ひぃ―――!!!!) 笑っている分だけ余計怖い! 怖いがしかしせっかくのデートを逃げ出す訳にもいかない。 「貴女には怒っていませんよ?ええ、貴女には、ね?それで、今日は何方が押し掛けたんですか?ここは素直に話してしまった方がいいと思いますよ?」 にっこり。 そんな擬音まで聞こえそうな黒い笑顔に根負けしたのは千鶴だった。 「実は・・・」 ぐったり項垂れて暴露した内容に、山南は大袈裟な程大きな溜息を溢し眼鏡を押し上げた。 「なるほど・・・それは朝からお疲れ様でした。それにしても、よくあの方々を撒けたものですね。さぞかし大変だったでしょう?」 「はい・・・物凄く・・・でも、早く先生に会いたかったんです・・・だから、頑張りました」 荒い息を整えて笑う千鶴に、山南も漸く黒くない笑顔を返す。 ほっとしたのも束の間、眼鏡を押さえた山南は暫し瞑目し、次に目を開けた時にはまたもや腹黒い笑顔を顔面に貼り付け千鶴の肩を抱き寄せた。 「実は、以前から考えていたんですが、彼らは貴女が私の恋人だと知らないからこそ、今回のような暴挙に及んでしまうんですね?」 「と、思い・・・ます・・・」 怒っているのでも悪企みしているのでもない思惑の読めない表情を見上げ、不安気に曇った千鶴の眉間をちょんと突き山南は囁いた。 「でしたら、貴女が誰かのモノである、と彼らの目に見える形で判らせるとしましょう」 「へ・・・?あの、先生?」 「千鶴君、外で会っている時は”先生”は止めましょうと言いましたよね?まだ学生の貴女と、こんな風になってしまってこれでも良心の呵責に耐えているんですよ?ですがプライベートで会っている時はただの恋人同士でいませんか?」 優しく漂った山南の香りに千鶴の頬が朱に染まる。 それを見下ろす山南は抱き締めた肩を更に強く引き寄せ、何故か公園に隣立する林へと足を向けた。 「せ・・・山南さん?どうしたんですか?どこに行くんですか?」 「いえ、本当なら私の部屋へお招きしたんですが、それはさすがに色々と不味い気がするので・・・所有印を付けるだけですから、こんな所で許して下さいね?」 「所有印・・・?あの、それ、どうするんですか?」 「少しだけ、目を瞑って頂けますか?」 そっと唇に触れた指先に、トクンと跳ねた心臓を誤魔化すように固く目を瞑った千鶴は息を詰めて山南の次の行動を待つ。 そんな千鶴をにこやかに見つめた山南は、ゆっくり体を折り曲げ、その唇を千鶴の首筋へと沿わせた。 「ひゃぁ・・・!?せ・・・先生!?」 「先生は、禁止、ですよ?」 「ん・・・あ!せん・・・あ、でも・・・!」 「し・・・大きな声を出すと、人が来てしまいます」 「ん・・・!」 首筋に口付けた山南は、そのまま白い肌に強く吸いつき所有の証を残していく。 もちろん制服の襟に隠れて見えるか見えないかの微妙な場所を選んではいるが、彼女より背の高い者が見れば一目瞭然だろう。 ちろちろと舌先で擽る動きに千鶴が身じろぎし、吐息を漏らす。 「は、あ・・・せんせ・・・」 「千鶴君?あまり可愛い声を出さないで貰えませんか?それとも私を試してるんですか?」 「ちが・・・試して、なんて・・・」 「ではもう少し我慢して下さい、判りましたか?」 「は・・・い・・・んん!」 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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