Paddock Clinic〜パドック診断〜
◆頭の位置・首の使い方、四肢全体(膝・飛節・球節・繋・蹄等)の歩様の運びのバランス、軽やかさ、返り具合、沈み具合に重きを置く。
(ポイント)
@現地でのチェックが行える際には、手前側の列を歩く時ばかりではなく、細かい動きも分かる向こう側の列を歩く時も見る。
A真横からだけではなく、前後からも見る。
B脚元、蹄等、細部を見る際には、双眼鏡、デジタルカメラ、ビデオカメラ等を用いて、繰り返し見直す。
CTV中継等でチェックを行う際には、直ぐに画面が抜かれてしまう為、録画した上で繰り返し見直す。

◆前方及び後方から見て、前肢と後肢の歩様が一直線上に見える様な歩き方の馬は、走行中に可動域目一杯に振り上げると脚同士がぶつかってしまう事がある。
従って、何れ違和感から自身で加減する事を覚えてしまう為、スピードが逃げ易く、無駄な動き(Loss)も多くなりがち。

◆前方から見て、前肢の歩様がカタカナのハの字に見える様な歩き方の馬は、スピードが逃げ易く、無駄な動き(Loss)も多くなりがち。

◆後肢が後ろに流れる様なダラダラとした歩き方の馬は、脚部(主に飛節)、腰に問題(怪我、病気、疲労)があると疑って、評価は大きな減点とする。

◆後肢を前肢よりも外側に着地させている馬は、脚部、腰に問題(怪我、病気、疲労)があると疑って、評価は大きな減点とする。

◆後肢の踏み込みが浅い馬(俗に言う腰が甘い馬)は、推進力が劣る為、急坂のあるコース、湿った馬場では評価を幾分減点とする。

◆繋が長い馬は、総じて瞬発力勝負では分が悪い。

◆ソエ(菅骨骨膜炎)、骨瘤が確認出来るような状態である馬の評価は大きな減点とする。
(ポイント)
@歩様が硬い様子であれば、痛みが生じているサイン。
A馬場(路盤)が硬くなりがちな開催前半は特に。

◆前肢と後肢の蹄が当たって、カチカチと音を立てながら歩いている馬の評価は、幾分減点とする。
(ポイント)
落鉄、裂蹄の要因となる為、余り好ましくない。

◆骨格形成上の欠陥(生まれながらに前肢or後肢の左右何れか、あるいは左右両方の脚の菅骨or繋が、内側(内向)or外側(外向)に曲がっている事)によって、脚捌き(フットワーク)が可動域一杯迄伸び切らずに、窮屈そうに見える馬は、必ずしもマイナスと迄はいかないが、少なくともプラスにはならない。
(ポイント)
バランスが悪いという事は走る際、違和感から自身で加減する事を覚えてしまったり、無駄な動き(Loss)が多かったりする等、常に何処かに負担が掛かっているという事であり、脚部や腰に問題(怪我、病気、疲労等)が生じ易くなる。

◆静止状態の際、じっとしていられずに、脚元をガクガク震わせているような場合には、脚部や腰に問題(怪我、病気、疲労等)があると疑って、評価は大きな減点とする。

◆特殊な装蹄が施されている馬は、それを装着するに至った経緯(故障歴、病歴)をチェックする。
(一例)
(a)エクイロックス
…蹄が欠損した箇所を補強するパテの様なもの。
蹄が薄い馬、蟻洞等で釘が打てない馬に使用。
(b)柿元鉄
…通常の兼用鉄よりも、
鉄尾の幅を狭くしたもの。
裏筋、蹄球を保護する目的がある。
主に屈腱炎の馬に使用。
(c)鉄橋鉄
…蹄鉄の両端に橋を渡した様な形状のもの。
主に蹄底に不安がある馬に使用。
(d)半鉄
…通常の兼用鉄よりも半分程短い蹄鉄。
主に屈腱炎、肘腫、裂蹄の馬に使用。
(e)四分の三蹄鉄(通称:J鉄)
…蹄鉄の片側が四分の一程短い蹄鉄。
主に屈腱炎の馬、蹄に不安がある馬に使用。
(f)リバーシブル鉄
…通常の兼用鉄の上下を、逆さまにして履かせた形状の蹄鉄。
主に屈腱炎の馬に使用。
(g)連尾鉄(通称:丸鉄)
…裏筋に負担がかからないように、鉄尾を繋げてO(オー)の字形にした蹄鉄。
主に屈腱炎、裂蹄の馬に使用。

◆馬体重の増減だけを見て、取捨の判断をしない。
(ポイント)
@
(a)直近の勝利時(好走時)の馬体重の上限と比較して、その差が+10Kg以内ならば、さほど問題無しと見る。
(b)直近の勝利時(好走時)の馬体重の下限と比較して、その差が−10Kg以内ならば、さほど問題無しと見る。
A休み明けの馬は、1ヶ月辺りの増減も見る。
1ヶ月辺りの増減が、±5Kg以内ならば、さほど問題無しと見る。
B地方競馬所属馬の場合、調教試験時及び能力検定時の体重も参考とする。
CJRA⇔JRA間、JRA⇔地方競馬間、地方競馬⇔地方競馬間の移籍、転厩を挟んだ馬については、カイバの質・量、調教施設・調教方法等、あらゆる環境が変化する為、一旦リセットする必要がある。

◆レースを使う毎に馬体重が減り続けていたり、休み明けで−10Kg以上減っていた場合には、調整過程で何らかの問題があったと疑って、評価は大きな減点とする。
※休み明けの定義は、中9週以上の休養又は待機とする。

◆収拾が付かない程の極端なイレ込み、気合不足を見せていなければ、気配だけを見て、取捨の判断をしない。

◆休み無く使い詰められている馬のイレ込みは、走る事への拒否反応と疑って、評価は大きな減点とする。

◆適度な発汗はあって当たり前。
(ポイント)
真夏なのに全くかいていなかったり、冬場なのにやたらとかいていたりした場合には、体調不良と疑って、評価は大きな減点とする。
※比較的代謝が悪い超巨漢馬(550Kg以上)の馬であれば尚更。

◆厳寒期に冬毛が生えてくるのは当たり前。
競走能力、体調云々とは関係無し。

◆ファンの動き(カメラ、傘等)に反応してしまう馬への評価は幾分減点とする。
(ポイント)
集中力に欠け、レースでも物見をする恐れがある。

◆各馬への評価は、騎手が跨る前迄に済ませる。
(ポイント)
どんな馬でも人が乗ればスイッチが入って、それなりに気合い乗りが良く見えてしまう。

◆品評会場ではないのだから、無理に優劣を付ける必要は無し。
(ポイント)
大手セール高馬ならば、馬っぷりが良く見えて当たり前。
見るべきは縦(過去)との比較であり、横(他馬)との比較ではない。

◆GT等の施行日は、普段より多くの観衆が詰め掛ける為、イレ込み癖のある馬、キャリアの浅い若駒の気配には注視が必要。
※本馬場での口取り撮影、表彰式等でタイムスケジュールが遅れて、余計に周回させられる最終レースは特に。

◆阪神競馬場のパドックには観客エリアを覆う屋根があり、観衆の声が反響する為、イレ込み癖のある馬、キャリアの浅い若駒の気配には注視が必要。

◆矯正馬具(B表記無し含)を使ってきた馬、外した馬の緒戦には相応の警戒が必要。
(ポイント)
@表記(B)のあるブリンカーに限らず、シャドーロール、チークピーシズ、パシファイアー、ホライゾネット、メンコ(耳覆い有・無)等の使用、変更にも気を配る。
※但し、ある程度のキャリア(馬齢)を積んだ馬の場合、少々の事には動じない為、劇的な効果(改善)は期待薄である。
※チークピーシズに関しては、他の矯正馬具よりも装着時の異物感が強く、却って集中力を欠いてしまう場合もある為、装着緒戦には注視が必要。
A舌を括る、ノーズバンド、ハミ受け、蹄鉄等の使用、変更にも気を配る。
※Dは御するのに高度な騎乗技術が求められる為、リーディング上位の騎手である事が望ましい。
B競走後のコメント等から一定の効果(改善)が伺えれば、2〜4走目辺り迄は相応の警戒が必要。
…あくまでカンフル剤としての効果(改善)を狙う為、馬自身が慣れてしまえば、その効果も次第に薄れてくる。
C視界が狭くなる馬具については、スムーズに逃げ、先行が出来るシチュエーションである事が望ましい。
揉まれ弱いという本質迄は改善されない為、最内枠を引いたり、出負けして馬込みの中に入ってしまった様な場合には、逆効果となるので、過信は禁物である。
D警報が発令される程、風の強い日には、馬具の隙間から入る風音で、却って集中力を欠いてしまう場合がある。
Fブリンカー(B)の発表義務が無い主催者である場合、ファンはパドックで知らされる事となるので注視が必要。

◆GTをいくつも勝つようなSpecialな馬の馬体の造りを記憶(記録)しておき、サンプルとして比較に役立てる。

◆走る前にわざわざ姿を見せてくれているのだから、その日の体調の良し悪しぐらいは、自身で判断出来る眼を養っておいたほうが良い。

◆競馬雑誌等に事前に掲載されている立ち姿は、その馬(陣営)にとって都合の良い状態の時のものである為、あくまで参考程度に止める。

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