【久慈照嘉】
出身地 山梨県甲府市
生年月日 1969年4月19日（40歳）
身長169cm
体重 75kg
投球・打席 右投左打
守備位置 遊撃手
プロ入り 1991年 ドラフト2位
初出場 1992年4月4日
最終出場 2005年10月26日
選手歴
東海大学甲府高等学校
日本石油
阪神タイガース（1992 - 1997）
中日ドラゴンズ（1998 - 2002）
阪神タイガース（2003 - 2005）
コーチ歴
阪神タイガース（2009 - ）
来歴・人物
東海大甲府高校では3回甲子園に出場。「東の久慈、西の立浪」といわれており、高校時代守備力の高さに定評があった（当時の後輩が久慈の守備練習を一塁側ファウルグラウンドで見学中、三遊間を抜けようとしている打球を横っ飛びでキャッチしたのを見て「視界の外から飛んできた」と例えるほどであった）。シュアな打撃が売りだったが、高校3年時には当時の4番打者・江花が不振のために代役で4番に座った事がある。社会人の日本石油では日本選手権、アマチュア王座決定戦で優勝を経験し、1991年のドラフト2位で阪神タイガースに入団。
1991年のドラフト会議に際しては、平田勝男の後継遊撃手を求めていた阪神が田口壮指名・獲得を望んでいた。これに対し田口側は阪神入団を望んではおらず、記者会見で「阪神に行きたくない10カ条」なる文書を読み上げたりするという一幕もあった（後に撤回）。このようないきさつもあり阪神は田口に代わる即戦力遊撃手として田口と同い年の久慈をドラフト2位で獲得する運びとなった。
堅実な守備と勝負強い打撃で1年目から活躍し開幕戦にも先発出場しオールスターゲームのセリーグ遊撃手部門ファン投票選出、1992年に打率.245で新人王を獲得。本塁打0本で新人王に選ばれた野手は史上初であった。1996年5月18日の広島戦では9回二死から安打を放ち、ロビンソン・チェコのノーヒットノーランを阻止した。
1997年オフ、脱税事件で出場停止となった鳥越裕介の穴埋めとして1998年に関川浩一とともに、大豊泰昭・矢野輝弘との交換で中日ドラゴンズに世紀のトレードで移籍。遊撃手として李鍾範が入団したため二塁手に転向。しかし李が死球により戦列を離れたため、シーズン後半からは遊撃手を務めた。1999年には福留孝介にレギュラーの座こそ譲ったものの、当時守備に不安があった福留に代わり試合の後半に出場する事も多かった。その後井端弘和ら若手の台頭により出場機会が減少し、2002年シーズン後、コーチ就任の打診を受けるも、自由契約。
2003年から古巣の阪神に復帰し、中日時代の3×2=6の語呂合わせから背番号32を付けた。2003年は、持ち前の抜群の守備力で同年のリーグ優勝に貢献した。2005年、阪神から次期指導者育成の一環として二軍コーチ就任の打診があったが本人は現役続行を希望していたためにこのオファーを拒否。話し合いの結果、球団は久慈の意思を尊重して自由契約にした。その後はオフの合同トライアウトにも参加したが名乗りを上げる球団がなく、2006年に入って引退を決意した。
彼が最後に出場した試合は2005年10月26日の日本シリーズ第4戦（対千葉ロッテマリーンズ）に9回、一塁代走として出場したが、矢野輝弘の犠打がフライとなり、久慈は飛び出していて結果は最悪のダブルプレー。あまりにもあっけない「引退試合」だった。
2007年からサンケイスポーツ専属評論家となり、阪神キャンプの視察を中心に精力的に回りだした。同紙にて「牛若丸が斬る!」と題した評論コラムを執筆。またNHK-BSのメジャーリーグ中継でも解説を務めている。
阪神復帰時は試合終盤の午後9時ごろに守備固めで出場する機会が多かった事からファンや実況中継では「9時に久慈」と呼ばれていた。
2008年10月29日古巣阪神の守備走塁コーチ就任が発表された。2006年春にも阪神の仲介でメジャーリーグのアトランタ・ブレーブスで短期のコーチ研修を行っている。2002年時にも中日から守備コーチの打診を受けており、今後は抜群の守備能力をはじめとした指導が期待される。中日、阪神時代に監督であった星野仙一も、久慈の守備能力とともにその指導者的な資質を高く評価している。
タイトル・表彰
新人王（1992年）
最多三塁打（1992年、8本）
最多犠打（1998年、38個）
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