旅行は二組ともなんの進展も起こらず幕を閉じた。 たけるは新しい本のために毎日執筆に追われていた。 そんな中、晴子に新しい舞台の話が舞い込んだ。 「本当ですか?」 劇団公演が好評で、晴子はある演出家に気に入られ、大きな劇場で舞台をする事になった。 晴子は今日顔合わせの日である。 「おはようございます。川原晴子です。よろしくお願いします」 メンバーに胸がわくわくした。 「よろしく」 手を差し出したのは、水野大介だった。 「よろしくお願いします。水野さんのこないだの舞台見ました。凄く良かったです」 「ありがとう」 晴子は大介を尊敬していた。 芝居の仕方や、考え方が好きで昔から演劇雑誌でよく注目していた。 「しかも岩田さんの脚本演出……あたし凄い幸せ」 大介は笑った。 「なんかいいね、ういういしくて」 晴子は恥ずかしくなった。 「すみません。あたしも舞台人なのに、なんかミーハーな事言って」 「いいんじゃない?」 和やかな雰囲気の中顔合わせは終わった。 晴子はうきうきしながら家路に着いた。 「おかえりなさい!晴子さん」 「真理ちゃん…ただいま。どっか行くの?」 「夕飯の材料買いに…中矢さん今日仕事遅いんで、作ってあげようかなって」 晴子はにっこり笑った。 「なんかいいね。頑張って」 「はい」 真理は嬉しそうにアパートを出た。 晴子は部屋に入り、たけるに電話した。 「たけるさん?今日行ってきましたよ!」 晴子はたけるに嬉しい気持ちを全部話した。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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