クローバー 〜2〜

エレベーター

「あっ、間違えた」
「上に行く階だね」
晴子と真理は下の階に降りた。
「勝!晴子ちゃん達先行くってメールきたぞ」
「あいよ」
二人は部屋を出て、エレベーターに乗ろうとした。
エレベーターの扉が開き乗ろうとすると、志乃が乗っていた。
「あっ…」
「あっ!たける」
たけるは乗り込もうか迷った。
「森口志乃だ…」
隣の勝を見るとあきらかに嬉しそうな顔をしていた。
「どうぞ」
マネージャーらしき人間が手招きした。
二人は乗り込むも終始無言であった。
レストラン階でたけると勝は降りたが、志乃は何か言いたげであった。
「なぁたける!ドラマのロケかな?」
「そうだな…今やってるもんな」
「ちょっと探して見に行こうぜ!」
「いや、俺はいいよ」
すると携帯がなりメールを見ると志乃からだった。
『話があるんだけどいいかな?』
たけるはどうしようか考えた。
最後にあったのがあんな別れ方だったし…
友達としてちゃんと話すか。
『わかりました。何時に待ち合わせますか?』
『10時に1062号室で』
たけるは携帯を閉じた。
「メール?」
「あぁ、出版社から」
「大変だなぁ売れっ子は」
たけるは微妙な笑みを浮かべた。
「二人とも遅いよぉ!」
「わりぃ!わりぃ!俺等ラブラブだからちょっといちゃついてたんだ」
「馬鹿じゃないのぉ」
「早く食べよう!」
晴子はたけるの微妙な差に気が付いた。
「たけるさん、何かありました?」
「なんでもないよ。さっ!何食べようか」
晴子はたけるの様子が気になって仕方なかった。




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