クローバー 〜2〜

電話の相手

大介の体が近づいた瞬間着メロが響いた。
「ごめんね…もしもし…あっ…久しぶり…うん、うん」
びっくりした…
今一瞬キスされるかと思ったけど、違うよね!そう!そんなわけない!うん、ないない!
大介は自分の携帯を晴子に渡そうとした。
「出てみな」
晴子は、何が何かわからず携帯に出た。
「はい?」
「真理です」
すると電話の向こう側は、真理だった。
「真理ちゃん!?」
思わず大介の顔を見るとニコニコ笑ってる。
「えっ!?どういう事?」
大介は、晴子の携帯をとった。
「真理ちゃん。俺から説明しておくよ。正月行くし、見にくるだろ?うん…じゃあまたね」
「水野さん?……えっ!?みずの…って」
「従兄弟なんだ、真理ちゃんと」
「え〜〜〜〜!!!」
知らなかった…
「真理ちゃん一言もそんなこと…」
「なんか今は舞台ばっかだけど、ちょっとドラマとか出てた頃なんか色々言われたみたいだよ。それで今は言ってないみたい。さっき言ってたけど、一緒に舞台するって今日知ったみたいだよ」
「はぁ…」
こんな偶然ってあるもん?たしかに水野ではあるけど…
晴子はじっと大介の顔を見た。
「もう酔いは覚めたみたいだね」
「あっ!すみませんっ」
晴子はあわてて立った。
「いいよ。ゆっくりで……でも行く?」
「はい」
二人は中に入った。
世の中狭すぎはしないか!?
アパートにつき、真理の部屋を叩いた。
「おかえり!晴子さん」
「おかえりじゃないよ!なんで言ってくれなかったの?あたしそんな言いふらすようなヤツじゃないよ」
真理は静かに後ろを指した。
「いや、マジで!俺の彼女!水野大介の従兄弟なんだって」
「まぁ……アレはアレで…」
「別にいいんですけどね」
晴子と真理は顔を見合せ笑った。
「あっ…」
携帯を見るとたけるからだった。
「たけるさん?行ってきましたよ!」
こうして深夜まで、真理の部屋を拠点に語られていた。

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