読み合わせが終わり、今日は親睦会も兼ねて飲み会になっていた。 「水野さんって本当凄いですよねぇ!10代の頃から凄い活躍してて!」 「でも、晴子ちゃんと4つしか変わらないよ。スタートが早かったのと、運が強いだけだよ」 「そんなことないですって!」 晴子は真剣に大介を見つめた。 大介は軽く笑った。 「ありがとう…晴子ちゃんはいい子だね」 晴子は照れた。 「そんな事ないですよ…あっ…」 「どうした?」 「失礼します」 晴子は立ち上がり、飲み会の席を外れた。 「お母さん?何?こんな時間に……うん!そうだよ!今その親睦会の席なの。だからきるよ!…うん…うん…はぁいじゃあね。おやすみぃ」 晴子は電話を切った。 「お母さんったら…」 すると後ろから声がした。 「誰と電話?」 振り向くと大介だった。 「彼氏?」 「違います。母親です。この舞台に出るって言うの雑誌で知ったらしくて!前に手紙でちょっと言ったんですけど、忘れちゃってるみたいで」 「へぇ……ちょっと外の風当たらない?」 晴子は会場を指差した。 「でも…」 「あんなに酔ってたら親睦会も何もないだろ?いいよ!戻らないわけじゃないんだし」 そういって晴子と大介は外に出た。 「あぁ……風…気持ち良いですね」 「だろ?」 晴子はにっこり笑った。 「でも不思議な感じです」 「何が?」 「つい何ヵ月か前までは、まだ地元にいてやるより見る方が多くて、ガラクタに入って、他の憧れてた演出家や役者さんと共演出来る……まぁこれからなんで、まだまだだし、おろされないよう頑張るだけですけど…」 大介は晴子の隣に静かに座った。 「謙虚だね」 晴子は手をふりオーバーリアクションで言った。 「そんなことないですよ!もう皆に言いましたもん!」 そのオーバーリアクションぶりに二人で大笑いした。 「戻るか」 「そうですね」 二人は勢いよく立ち上がるも、晴子は少しクラッときた。 「あっ」 「おっ…大丈夫?」 晴子は大介の胸に倒れ込んだ。 「すみません…大丈夫です」 「もう少し休む?」 「……そうですね…あたしいます。水野さんは戻って下さい」 大介は晴子を座らせて店の中に入った。 何してるのよあたし〜! 恥ずかしい〜! すると店の中から大介が水を持ってきた。 「ありがとうございます」 晴子は一口水を飲んで、大介にニコッと笑った。 すると大介はそのまま晴子を見つめた。 「水野…さん?」 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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