クローバー 〜2〜

親睦会

読み合わせが終わり、今日は親睦会も兼ねて飲み会になっていた。
「水野さんって本当凄いですよねぇ!10代の頃から凄い活躍してて!」
「でも、晴子ちゃんと4つしか変わらないよ。スタートが早かったのと、運が強いだけだよ」
「そんなことないですって!」
晴子は真剣に大介を見つめた。
大介は軽く笑った。
「ありがとう…晴子ちゃんはいい子だね」
晴子は照れた。
「そんな事ないですよ…あっ…」
「どうした?」
「失礼します」
晴子は立ち上がり、飲み会の席を外れた。
「お母さん?何?こんな時間に……うん!そうだよ!今その親睦会の席なの。だからきるよ!…うん…うん…はぁいじゃあね。おやすみぃ」
晴子は電話を切った。
「お母さんったら…」
すると後ろから声がした。
「誰と電話?」
振り向くと大介だった。
「彼氏?」
「違います。母親です。この舞台に出るって言うの雑誌で知ったらしくて!前に手紙でちょっと言ったんですけど、忘れちゃってるみたいで」
「へぇ……ちょっと外の風当たらない?」
晴子は会場を指差した。
「でも…」
「あんなに酔ってたら親睦会も何もないだろ?いいよ!戻らないわけじゃないんだし」
そういって晴子と大介は外に出た。
「あぁ……風…気持ち良いですね」
「だろ?」
晴子はにっこり笑った。
「でも不思議な感じです」
「何が?」
「つい何ヵ月か前までは、まだ地元にいてやるより見る方が多くて、ガラクタに入って、他の憧れてた演出家や役者さんと共演出来る……まぁこれからなんで、まだまだだし、おろされないよう頑張るだけですけど…」
大介は晴子の隣に静かに座った。
「謙虚だね」
晴子は手をふりオーバーリアクションで言った。
「そんなことないですよ!もう皆に言いましたもん!」
そのオーバーリアクションぶりに二人で大笑いした。
「戻るか」
「そうですね」
二人は勢いよく立ち上がるも、晴子は少しクラッときた。
「あっ」
「おっ…大丈夫?」
晴子は大介の胸に倒れ込んだ。
「すみません…大丈夫です」
「もう少し休む?」
「……そうですね…あたしいます。水野さんは戻って下さい」
大介は晴子を座らせて店の中に入った。
何してるのよあたし〜!
恥ずかしい〜!
すると店の中から大介が水を持ってきた。
「ありがとうございます」
晴子は一口水を飲んで、大介にニコッと笑った。
すると大介はそのまま晴子を見つめた。
「水野…さん?」




[先頭ページを開く]
[指定ページを開く]


<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。




w友達に教えるw
[ホムペ作成][新着記事]
[編集]

無料ホームページ作成は@peps!
無料ホムペ素材も超充実ァ