今日はある劇団の入団テストがある。 正直あんな小さな町の見に来る人間なんて、友達ばっかり?って言いたくなるような劇団員だった自分が、憧れのガラクタに入れるかどうか… 晴子は入団テスト会場で、案内ハガキを握りしめながらごくりと唾を飲んだ。 「よし!」 晴子は意を決し、会場へ入った。 毎年とる人数はその時によって違う。 劇団にあった人間、より芝居力の高い人間が選ばれる。 1人もいない年もあるし、多くても3、4人しかとらなかったりする。 その中で50人はいるか!と言うような人数に正直晴子はビビっていた。 いやぁ…やっぱ無理? 発声練習や、ストレッチをする者、何かエチュードのような事をしてる者、その気迫に飲み込まれそうになっていた。 まずは……トイレ! 晴子はトイレへ向かった。 洗面台にずっと前髪をチェックする女性がいた。 「う―ん、うまくなんないなぁ」 横目で気にしながら、前髪をひたすら直す女性を見ていた。 「あのぉ…」 女性は、晴子の方を向いた。 「何?」 「初対面ですみません、失礼します」 晴子は女性の前髪を整えた。 「これのがいいですよ!」 言われた女性は鏡を見て笑顔になった。 「ありがとう!!!いやぁ、ちょっとの差なのにいい感じね!…受験生?」 「あっ、そうです!関係者の方ですか?」 女性はにっこり笑った。 「うん。裏方だけどね!頑張って」 すると女性は出ていった。 「ありがとうごさいます!……いい人だなぁ…」 晴子は女性に元気をもらった気がして良い感じに力が抜け、自分の番を待った。 次だ… そう思ってると携帯が鳴り出した。 「すっ、すみませ―ん」 音切るの忘れてた〜!! 見るとたけるからだった。 「頑張れ!晴子ちゃんなら大丈夫だよ! たける 勝 真理」 「30番から39番までどうぞ」 晴子は力いっぱい返事した。 「はい!」 中に入ると、審査員が5人いた。 顔は見た事ないが、脚本と演出を手掛ける中島凛々さんがいるはず…なんとか認めてもらいたい! 審査員を見渡し晴子は目を疑った。 「あの人…」 思わず口にしていた。 トイレで会った人!!! しかも中島凛々!? [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
w友達に教えるw [編集] 無料ホームページ作成は@peps! |