「失礼しまーす」 晴子は微妙な距離の隣に座った。 「夕方なのに人いないですね」 「そうだね」 二人はぼんやりと夕日を眺めた。 たけるは晴子をじっと見つめた。 「晴子ちゃん」 晴子はゆっくりとたけるの顔を見た。 「…はい」 たけるはじっと見つめていたが、急に吹き出した。 「ごめん。髪の毛が」 晴子は頭を抱え込んだ。 「あぁ、本当にヤバいですよねあたし」 「だって昨日公演だっだから仕方ないよ。別に俺なら何時間でも待ったけどね」 その優しい笑顔に晴子は言葉を失った。 「あっ…あの…」 「ん?」 たけるはずっと優しく微笑んでいた。 「好きです…」 晴子はハッとした。 思わず口から出ていた。 「あっ、やっ、今のは」 晴子はパニクってしまい、ジャングルジムから落ちそうになった。 「危ない!」 たけるは腕を引き寄せ抱き寄せた。 晴子はたけるの胸の中で「助かったー」と安堵感に浸るも、胸の中にいる事を思い出した。 「あたし、ごめ」 言葉途中に晴子は体を放そうとしたが、たけるはきつく抱き締めた。 「たけるさん…」 たけるは晴子の耳元でいった。 「今のは本当?」 「えっ…」 晴子はたけるの背中に腕を回して抱きついた。 そして小さな声で言った。 「本当です」 その声を聞き、たけるはさらに抱き締めた。 「ありがとう」 するとジャングルジムの下から声がした。 「うわぁー抱き合ってる」 「チューするぞ、チュー」 二人は一瞬で離れ下を見ると、子供達が集まって見ていた。 「やだっ、恥ずかしい」 晴子は両手で顔をかくした。 「お前ら、見せ物じゃないんだから、ガキは帰れ!」 「怒った、怒った」 「わーー!」 「抱き合ってたぁ!」 たけるはジャングルジムから飛び降り、笑いながら子供達を追いかけた。 「こーらっ、捕まえてやるからなぁ」 「鬼だ!鬼!」 「キャー!」 子供達と遊ぶ様子を晴子は少し恥ずかしげに微笑ましく見ていた。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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